「タヌキ、いくぞ」

『うん』


作戦はめちゃくちゃになってしまったが、タヌキはやっとローの隣に立てた


『【二尾　鉄扇】！！』


タヌキの鉄扇から放たれた斬撃がドフラミンゴを襲う

手を顔の前で組み攻撃から身を守るが、素早く後ろに回ったタヌキが剣を振り下ろす


『【三尾　太刀】』

「弾糸（タマイト）」


ドフラミンゴから放たれた糸が太刀に当たり軌道がずれタヌキは体制を崩す


『！！』

「オイタが過ぎるぜ、子猫ちゃん」

「shambles！！」



ドフラミンゴが振り下ろした拳はローの能力で移動したタヌキにあたることはなかった

入れ替わるようにローがドフラミンゴとの間合いを詰めてくる


「チッ…ローか…」


すぐさまローに糸を巻き付け、攻撃を阻止する


『【四尾　虎退治】』


消えたと思っていたタヌキがドフラミンゴの背に槍を刺さす


「グッ…」


覇気により余りダメージは入らなかったようだが、上手く攻撃に繋がらないドフラミンゴは苛立つ

その苛立つドフラミンゴの顔に糸が緩んだローが一撃をお見舞いする


「よそ見してていいのか？counter shock！！」

「調子に乗るな！！」


ローの攻撃と同時にローを投げ込み反撃する反応は流石だ

すごい勢いで地面へと落ちていくローをタヌキが尻尾で受け止めダメージはない


「チッ」


流石のコンビネーションにドフラミンゴも手を焼く

付け焼き刃のルフィとの共闘とは比べものにならない


“ボンッ！！”


その時、王宮の丘の麓にあるSMILE工場が大きな音を立てて爆発した


「！？、なにっ！工場が！」

「！！！」

『よかった…ピンクビー部隊が上手くやったんだ』

「クソッ、オモチャの家の事件の首謀者もお前だな！九尾！あんな変な鼻のやつがシュガーをやれるわけはないんだ！」

「………」


焦るトレーボルの一方でドフラミンゴの顔はどんどん歪んでいく

タヌキはローの作戦通り工場を破壊した

ローは予想以上に乱れるドフラミンゴの様子を見てイケると思った


「タヌキ、鬼纏うぞ」

『うん』


鬼纏

タヌキの妖力をローの鬼哭に鬼纏わせることで膨大な力を発揮できる

この技は大量の体力を消耗する分威力も絶大

タヌキは痛む体に鞭打って、ローに頷いた

止めることなどタヌキにはできない

私はその背中守るんだ

だから、ローは前だけを見て…振り返えらないでほしい

そこがどんな状況になろうとも

あいにく私は、三歩下がってついていくことが出来ないから

その背中守って見せるから

永い偉大なる航海の旅

必死こいて見つけた答えはそれしか出なかったから


『任せて』


タヌキはもう一度、力を振り絞った

鬼纏“九重単・鉄黒”