タヌキのことが分かると、ローは次にルフィに同盟の破棄を言い渡した

こんな状態では同盟を続けることは出来ない


「…せっかくだが麦わら屋
俺とお前らの同盟は終わったんだ」

「えっ！？お前勝手だな！
俺はもうもふ子とお前助けてミンゴをぶっ飛ばすって約束したんだ！」

「！！！」


タヌキは約束などしたつもりはないのだが…

ルフィの言葉にローは心の中でタヌキを責めた

タヌキなに勝手なことしてんだ！

いや…タヌキのことだ

麦わら屋に言い押されたのだろうが…

すぐに尻尾を膨れ上がらせてルフィに文句を言う姿が目に浮かんで、ローは頭が痛くなった


「とにかく！同盟が切れりゃまた敵同士
俺を逃せばお前を殺すぞ！」

「動くな！！
海楼石に触れねぇからカギ外すの難しいんだ！」

「しっかり！ルフィ！！」

「話を聞け！！」


埒があかない

能力者であるルフィとヴィオラが海楼石の鍵に苦戦して、ローの手錠はなかなか取れないでいた

こんな時タヌキならもっと上手くやる

タヌキは能力者ではないから、こんな鍵すぐ開けられる

そう…タヌキなら…

その時、石で出来た部屋全体が波打った


「「「！！！？？？」」」

「フッフッフッ…ンフフフフフ！！」


部屋の中心で首を切られ倒れたはずのドフラミンゴが立ち上がる


「…想像以上に…してやられたな…」


その場にいた全員が目を見開き、ローの心臓はまた大きく脈を打った

やはりあのドフラミンゴがこんな簡単に倒れるはずがねぇ…！


「お前らの駒も中々やるようだ」

「タヌキは駒なんかじゃねぇ！」

「うわぁ！ミンゴが生きてる！？」


キュロスに頭を落とされたはずの身体が起き上がり、床に転がった生首が喋っている


「これはまずい事態だ…トリカゴを使わざるを得ない
なぁ…ロー…」

「トリカゴだとッ！？」


それは地獄の名前だった


「ピーカ！邪魔者を外へやれ！！」


ドフラミンゴの一言でまた部屋が波打つ

最高幹部ピーカのイシイシの実の力で、立っていられないほど部屋が揺れた

彼の体は石に溶け込み王宮そのものになり、王宮が全体が揺れていた

ルフィやローたちは全員外壁塔の庭まで飛ばされる

投げ飛ばされながら見えたのは、王宮から飛び出るいくつもの糸だった


「始まった…トリカゴだ…」


糸は島の外側を名の通りトリカゴのように全て覆った

これでは誰もこの島から出られない


「この国の真実が漏れる前に今この島にいる奴らを皆殺しにするつもりだ！！」

「うわっ！？また地震か！！」

「ピーカの能力よ！」


そしてまたピーカの能力により、ローたちのいる外壁塔の地面が下がっていく

王宮が動き、SMILE工場が地下から顔を出し、石でできた王宮周辺の地形がみるみるうちに変わっていった

糸に触れるだけで鋭利な刃物に触ったかのように傷つき、電伝虫の電波妨害もされた

ドレスローザは世界から孤立した