羽衣さん、どれすろぉざに挑む【オモチャの家事変】
チェンジ
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ローが目を覚ますと、目の前いるドフラミンゴがなぜか機嫌が悪くグラスを叩き割り暴れている
座りたくもないハートの椅子に座らされ、手には海楼石の錠が嵌められ身動きがとれない
俺が気を失っていた間になにが起きた…?
「ロー!お前らの狙いは“SMILE工場”…それだけのハズだ!!
今日思いつきで出来ることじゃねえぞ!!」
目を覚ましたローに気づき、ドフラミンゴは苛立ってローを怒鳴る
ドフラミンゴの手元にある電伝虫からは、オモチャの家にいるトレーボルから麦わらの一味がトンタッタと共に侵入したと連絡が入っている
ローはオモチャの家の闇も、トンタッタの小人の作戦も、シュガーの存在も能力も知らない
「なぜ麦わら達とグリーンビットの小人達が繋がっている!?どうやって地下へ侵入した!」
「………」
「なぜシュガーを狙う?
偶然でなけりゃあ、奴らこの国の闇の“根幹”を知ってることになるッ!!」
「………お前の言ってることは俺にはほぼ理解できねぇ」
ローの言っていることは本当だった
もし今ローが意識を失っている間にルフィ達がどれだけ暴れたかを知れば、米神の血管が1.2本千切れていただろう
「あいつらと俺とはもう関係ねぇ…同盟は終わっている」
麦わらの一味がどう動いているか知らないローにとって、ドフラミンゴに鬼哭を抜いた時点で同盟は切れていた
パンクハザードに麦わらの一味が来なければ、初めっから1人でやるつもりだった
…そう、1人で
ズキリとローの心臓が痛んだ
なんだ…これは?
その痛みはすぐに無くなり、気のせいだったかとローは無理矢理納得した
タヌキが今地下の交易港でオモチャにされたことをローは知らない
オモチャにされれば、誰の記憶からもいなくなってしまうことを知らない
ローの心からタヌキは消えていた
「お前、“1人”で何が出来る?
すぐにでも麦わらのルフィを倒し、この“反乱”も全て終わりだ!!」
大きく笑ったドフラミンゴ
頭をよぎる最悪のことなど起こるはずがない
だがそんなドフラミンゴの思惑は一瞬で散る
【すまねぇ!ドフィ!!
シュガーが気絶しちまった!!】
それはこの国の全てを変えた
電伝虫から聞こえたトレーボルの声がうるさいほど響いた
「!?、おいおいッ!何の冗談だ!?」
「???、なんだ…?」
ドフラミンゴが初めて頭を抱えた
信じられない光景がローの目に映る
一体、どうなってんだ!?
さらに部屋中に置かれた電伝虫という電伝虫が鳴り響く
目の前にいたオモチャが家族に海賊に…
働いていたオモチャがゾウにゴリラに…
戻っていく
鳴り止まない電伝虫が瞬く間に国中のパニックを知らせる
その時、電伝虫の音を裂くように逞しい男の声が部屋の中に飛び込んできた
「リク王様ぁ!!!」
「!!??」
今度はなんだ
ローが目を向けると、いきなりすっ飛んできた片足のオモチャの兵隊が突如人間の姿に変わった
驚いている間にその人物はドフラミンゴを斬り首を落としてしまった
リク王にキュロスと呼ばれた男は、動揺するドフラミンゴの部下までも倒していく
…全く一体どうしてどうなってやがる
状況が理解できないままドフラミンゴが斬られたという衝撃と共に、ローは頭がクリアになったかのように思い出した
“ロー”
「ッ、タヌキ!!」
思わず声に出た名前は誰よりも愛しかったはずの名前だった
俺は1人でドフラミンゴに乗り込んできたんじゃねぇ!!
タヌキ…お前と共に来たんだ
…なぜ、俺は今タヌキのことを忘れていたんだ
なぜだ!
原因がわからず恐ろしくはじめて全身が震えた
なんの違和感もなく俺はタヌキをなかったことにした
今まで共に戦い愛し生きてきたのに
速くなる鼓動は、失った悲しさか…忘れてしまった己の情けなさか…思い出したか喜びかわからなかった
「おい!とら男大丈夫か!
…とら男?」
「……ッ」
キュロスの後を追い、部屋へと駆け込んできたルフィとヴィオラがローに駆け寄った
なぜここに麦わら屋がとローは問いたかったが、ローはタヌキのことが離れなず言葉に出来なかった
あいつなら大丈夫だ
そう何度も心に言い聞かせても、鼓動は早くなるばかり
タヌキ…お前に一体なにがあった
海楼石の錠がついた今、タヌキを探すことも出来ない
「彼の錠の鍵よ!」
「お前なんでも準備いいなぁ!
先のことが見えてるみたいだ!!」
「おい麦わら屋、タヌキはどうした!
作戦ではいっしょのはずだろ!?」
ルフィに最初に出た言葉は作戦を無視した行動を攻める言葉ではなく、タヌキの安否だった
「タヌキ?あぁ、もふ子かぁ!」
「彼女なら今地下の工場にいるわ!
彼女のお陰で街のオモチャが元に戻ったの!
街中、パニックよ!!」
「だってよ!とら男よかったな!」
「…そうか、無事か」
ほらやっぱり
タヌキなら、大丈夫だ
全身の力が抜けた