羽衣さん、どれすろぉざに挑む【お花畑の変】
チェンジ
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「このドレスローザには10年前ドフラミンゴが王座に就いてから固く守られ続ける2つの法がある」
お花畑に行く道中、タヌキとフランキーはオモチャの兵隊からこの島について聞いていた
「1つは国の消灯は午前0時…それ以降は出歩かない」
『オモチャたちも?』
「あぁ…人間は自分の家に、オモチャはオモチャの家に帰る
深夜は誰一人外に出てはならない」
「飲みにも行けねぇじゃねぇか!」
「どうせ店など開いちゃいない」
誰一人いないのだからオモチャの兵隊の言うとおりだ
今はこんなに人とオモチャで溢れかえっているのに夜になれば誰もいなくなるのか
「2つ目…オモチャは人間の家に、人間はオモチャの家に決して入ってはならない」
『仲良しそうに見えるけど?』
タヌキはすれ違った人間とオモチャが仲良く手を繋いでいるのを見ながら言った
「まぁ、それも作られた人工物と生物との悲しき境界線…というなら仕方ねぇか」
『そもそも私もフランキーも貴方たちオモチャがなんなのか説明されていないんだけど…貴方たちは何者なの?』
「なんだか見慣れちまったが、意思もあるし口も利く!
お前らを作り出したベガパンク級の技術者は誰なんだ?」
いや、これは人間の技術じゃない
ずっとイッカクを見てきたタヌキには、ローと考えてきた仮説があった
『もしかして…その姿って』
「キャーーー!!オモチャが壊れた!!
“人間病”よ!!!」
「『!!??』」
人間病?
声の方を見ると女性のスカートを引っ張り、名前を呼びすがっているオモチャがいた
「違うんだ!聞いてくれ!
思い出したんだ、エスタ!!
俺がお前の恋人だよ!!」
「おい!手を離せ!!
彼女の恋人はボクだ!」
女性の恋人を名乗る男性が現れ、オモチャを殴った
オモチャはそのまま街の警官にスクラップと書かれた小さな建物に投げ入れられた
俺は人間だと叫びながら…
「!?」
『…これは一体』
言葉を失ったタヌキの頭からオモチャの兵隊は飛び降り、近くにいた犬のオモチャに声をかけた
「安心してくれ、我々もオモチャだ」
まあフランキーはそうだろうが、タヌキは少々無理があるのではないだろうか
「彼女もドールのオモチャなんだ」
「ん〜〜!納得のわんぽこ!!」
「君は…誰だ…?」
オモチャの兵隊が話しかけると、先ほどまで見せていたオモチャの笑顔から表情のないオモチャの顔になった
「…俺はあの子の父親だ」
「『!!!』」
先ほどまで一緒に遊んでいた男の子に目を向ける
「一緒にいる女性の夫だ
名前はミロ…わんぽこなんかじゃない」
そのセリフは重く、嘘をついているようには見えない
オモチャの兵隊は続けて男の子とその母親に話しかけた
「ボウヤ、父さんはいるか?」
「えっ?いないよ?」
「あんた、夫は?」
「いないわ、結婚もしてないし」
よくあることでしょと女性は笑った
「ん??結局、オモチャの兵隊は一体俺たちに何を見せたかったんだ?」
いまいちピンときていないフランキーはタヌキの顔を覗き込む
しかし、タヌキは点と点が結びついて確信になった
やっぱりここのオモチャたちはイッカクと同じ
国ひとつそうだなんて想像だにしてなかった
『つまりこの国は、“忘れ去られたモノたち”と“忘れたモノたち”…オモチャと人間の町』
そして貴方たちオモチャは…
いつもの通り無表情のオモチャの兵隊がこちらを向く
『元々人間だった人たち』
「ご名答」
「ぇえーー!!!」
フランキーは大きな体をさらに大きく仰け反らせ驚いた