羽衣さん、どれすろぉざに挑む【コロシアムの役】
チェンジ
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ちょっと!
本当にちょっと!
考えごとをして目を離した隙に!
なんでそうなるの!
目の前で早速ばらばらに散っていった麦わらの一味にタヌキの理解は追いつかない
「欲張ったな!妖精!!」
まず、ゾロがいなくなった
伝説の“妖精”がゾロの刀を盗んでしまったと追いかけていった
「待て待て!てめぇを1人で彷徨わせてる時間はねぇんだよ!」
「犯人を見つけたか!ワノ国の宝何ぴとにも渡さぬぞ!!」
そして、“妖精”に大切な刀を盗まれ追いかけたゾロを追いかけたサンジと錦えもんの姿もいなくなった
これはミイラ取りがミイラになるやつじゃ…
この勘だけははずれて欲しいと言うタヌキの願いはやはり叶わない
麦わらの一味と行動してから、ハートの海賊団ではあり得ないほど心を乱している
「面白いそうだ!!シシシ!!」
『ルフィ!!待って!!!』
こんなに大きな声を出すことも本当に久しぶりだ
「おい、放せよ!
もふ子、俺たちも行こう!絶対楽しいぞ!!」
『そういうことじゃない!』
なんとかルフィだけは食い止めたが、作戦実行のパーティはなんともう3人まで減ってしまった
あぁ…胃がいたい
『一旦、船に戻って作戦を練り直そう?』
「えーー」
「いや、俺に名案が浮かんでんだよ!
万事このアニキに任せておけ!!」
後ろでずっと見ていたフランキーがタヌキに親指を立てた
どこから出て来たのかわからないフランキーの自信に不信感を抱くタヌキ
だが、その隣でルフィは本当かー!と乗り気だ
「おーい、もふ子!
おいてくぞーー!!」
『あっ!待って!!』
タヌキに決定権はなく、どんどん店を出て行ってしまったルフィとフランキーを慌てて追いかけた
その後ろ姿を藤とらが見ていたことに気づかずに
「ヒィーッ!!俺はスマイルの”ス”の字も、工場の“コ”もしっ知らねぇよ!」
『脅す相手が下っ端すきたんじゃ?』
フランキーの名案はただの脅しだった
裏路地に先ほど賭け事で盲目のおっさんを騙していた小悪党を連れ込んだものの、目当ての情報は持っていなかった
ドゴンッ!!
「本当に何も知らないんだな?」
殴ったレンガの壁が崩れ落ちた
名案が聞いて呆れる…結局力技じゃない
「あっ、ぁあそうだ!上官達に会いたきゃ“コリーダコロシアム”だ!今日は特大イベントでよ!幹部たちが集まってるハズだ!!」
「コロシアム…?」
「どういうわけか若様がものすげぇ賞品を用意しちまってよ!!」
「まさか…!!ミンゴが言ってた美味しい肉か!?」
『ルフィ…ドフラミンゴはルフィが欲しがる物としか言ってないよ』
「“メラメラの実”だよ!!!」
「…ッ!!エースのメラメラの実!?」
ルフィの纏う空気が一瞬にして張り詰めた
頂上決戦で少し見ただけだったが、エースというのはたしかルフィの兄だ
世界を揺るがすあのルフィの行動は、兄弟を救うためだということをタヌキが知ったのは戦いからだいぶ経ってからのことだった
「おれ!ほしい!!
エースの能力をどっかの誰かに持ってかれんのはイヤだ!!!」
『でも…こんな時期にわざわざコロシアムの景品にするなんておかしい
ドフラミンゴの言葉もあるし“罠”の可能性が高すぎる』
あの決戦を生目でみたタヌキは、否定しつつルフィの気持ちは十分すぎるほど理解できる
ルフィを止めようとするタヌキに、フランキーが割って入ってきてルフィの背中を押した
「確かに危険は高いが…ルフィ、俺はこれだけは言える…チャンスなら逃すな!!」
「うん!!」
『……』
「もふ子…とら男との約束もあるけど、俺どうしても“メラメラの実”を手に入れたいんだ!…エースの形見なんだよ!」
『…わかった』
「じゃ、じゃあ!」
『どの道コロシアムには用があるし…止めても貴方聞かないんでしょ?』
はぁとため息をついたタヌキに、フランキーがぐっと親指を立てた
「なんだ、もふ子!!分かってんじゃねーか!!
そーなんだよ!こうなったルフィはテコでも動かねぇんだよ!!」
なぜだが自分のことのようにフランキーが嬉しそうに鼻をかいた
なんでフランキーが嬉しそうにするのだろうか
少し呆れたタヌキにルフィが急に抱きついて喜びを表す
「ありがとな!もふ子!
お前、いーやつだなぁ!!」
『わっ!?髪が乱れる!』
麦わらの一味にたじたじになりながら、タヌキは仕方がないと覚悟を決めた
工場の破壊は最悪1人でもやるしかない