羽衣さん、どれすろぉざに挑む【コロシアムの役】
チェンジ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
金髪ショートのカツラを被り、ストレッチ素材の黒のパンツスーツに身を包んだ姿はベポたちが見ても気づかれないほど、いつものタヌキとかけ離れていた
上からローと揃いのコートを羽織り、尻尾穴を隠す
もちろん尻尾だってださないし、浮遊もしない
ドレスローザ潜入のためタヌキたちは変装することになり、ローはつけ髭とサングラスをしフードを被っている
帽子は外さないんだ…
正直本当に変装する気あるのかと疑うが、本人は至って真面目だ
そう思っているタヌキの頭にローはタヌキにもいつもの帽子を被せる
「タヌキ、大丈夫か?」
『ロー、この島うるさいよ』
「それ程、闇は深ぇってわけだ
無闇に聞いてもパンクするだけだ、力はセーブしておけ」
島の規模に対してあまりに多い音に、タヌキは嫌な予感がした
ローがいつも以上に心配するのは、ローとタヌキがこの作戦で別行動になるからだ
ローはシーザーの受け渡し、タヌキは工場の破壊
どちらもドフラミンゴを倒すために重要な役割で、ローは最後までタヌキと離れることを嫌った
でも、作戦の成功率を上げるためとタヌキが引かなかった
どこにあるかわからない工場…探し物をするならこれ以上タヌキにぴったりなことはない
ドレスローザのことがあるからローはタヌキと離れたくなかったが
ドレスローザのことがあるからタヌキはローの役に立ちたかった
『私を信じてよ、ロー』
そうタヌキに言われてはローは否定出来なかった
「もう信じきってる」
タヌキもパンクハザードの時のようにローの力になれないことは避けたい
「あまり無理はするな
工場を壊し終わったらすぐ俺のところに来い」
『もちろん』
そう言うとローはタヌキに触れるだけの口づけを落とした
名残惜しそうにタヌキの髪を撫でると、ローはナミにベポのビブルカードを渡しにいった
船で待機するからといって安全なわけではない
もしもの時の打ち合わせだ
「さっき話した“ゾウ”と言う島を指す
俺たちに何かあったらここへ行け」
「おい!何もねぇよな!?」
「さぁな
これは仲間の描いたドレスローザの地図だ」
「わっ下手!」
『…でも…頑張って描いてたもん』
ベポが頑張って描いた海図は、読めなくはないがとても上手とは言えない
うまいうまいと甘やかしていたタヌキにも責任がある
でも、かわいいからいいんだ
タヌキの可愛いは正義は揺るがず、治す気もない
「ぁあああマリアよ!いつにも増して綺麗だぁああ!!」
「おっ!お前も着替え終わったのか!!」
付け髭をつけただけに見えるルフィたちの変装は変装と言えるのだろうか
ドフラミンゴもまさか麦わらのルフィが正面から入ってくるだなんて思っていないだろうが…それにしたってローが何度念押ししても緊張感がない
まあ、これが麦わらのルフィの長所なのかもしれない
作戦の確認にもあまり興味はないようだ
ローがナミ達と話し合いをする中、後ろで聞いていたタヌキの口元に手が回った
『っ!?』
「じゃあ、行くか!」
回されたのルフィの腕だった
タヌキは有無を言わさずドレスローザの街中へと連れ去られた
この人たちローの作戦聞いてた!?
口を塞がれたタヌキは声も出せず、ローは気づかなかった
ルフィと長く旅をしてきた仲間ですら、まさかこんな短時間にいなくなるなんて思っていなかった
作戦を確認している間に、工場破壊&侍救出チームが全員いなくなった
「あれ!?ルフィがいねぇぞ!!」
「麦わら屋たちはどうした
作戦の要だぞ!」
「おい!サンジはどこだ!
俺たちは誰が守ってくれるんだ!!」
辺りを見渡すとルフィたちどころか、タヌキまでいない
「あいつらッ!
タヌキまで連れていきやがった!!」
尻尾の戻ったタヌキに、万が一のことはないと思うが…
仕方ないと、ローは拳を強く握った
「俺たちも向かうぞ、グリーンビット!」
ローも自身の作戦を進めるため1歩を踏み出した
タヌキが、あの麦わら屋たちもいっしょだと思うと少々胃が痛い
…頼むから作戦以外の面倒事は起こすなよ
ローの願いは新世界の海に虚しく連れ去られることになる