羽衣さん、ぱんくはざぁどの戦い【冬の陣 前半戦】
チェンジ
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「っぅうゔ!」
『妾は女であろうと手加減はせぬぞ』
タヌキの瞳孔は三日月のように縦に長くなりもはや獣のような気迫だった
それは、ハートのクルーが見ればタヌキらしくないと言える戦い方だった
『さぁ…答えよ…妾の尻尾はどこじゃ?』
「…ッ、あっ…あっ…」
『……フゥ、ちょっとやりすぎたかも』
部屋全体の雪がなくなっていく
もともと羽衣狐だった頃の妖怪同士の戦いは畏…覇気を纏い、気圧されれば負けだと言われていた
簡単にいえばビビったら負け
妖怪なのだからビビらすのは得意なのは当然だが
【一尾】を使ったからだろうか自分の中の羽衣狐が強く出てしまい、タヌキの覇気は通常より強い精神を持ったモネすら震え上がるほどのものだった
畏れを使わず覇気を使っていれば、命はなかった
その事実がモネの心を打ち砕いた
目に光を失い、理解できない言葉を吐き続けるモネにしゃがみ込んだ
『…本当は知ってたの…尻尾の場所』
知らないふりしてた方が貴女たちの動き読みやすかったから
『色んな情報ありがとう
でもこれ、ローにも内緒だから言わないでね』
チョッパーとともに施設内を回った時に、手に入れた資料がタヌキの尻尾の中にしっかりしまってある
『本当はもっとゆっくり集めるつもりだったけど、少しでも集められたから良しとするわ』
今日でこの島ともお別れだし
そういうと、タヌキはモネの谷間に手を入れる
出てきたのはキャンディーサイズの美しい玉
たしかにヴェルゴには見つからない場所だ
玉をひと飲みしてタヌキは胸の中へと入れた
静かに目を見開いたゾロ他所に、タヌキは全身に力がみなぎるのを感じた
永年親しんだ力はタヌキに溶け込んでいく
『おかえり』
「お前あいつんとこのクルーだろ?…なんであの男の下についてる?」
タヌキの実力を認めた上でゾロはそう聞いた
『海賊王になる男だから』
「ハッ、なるほどな!!」
なぜお前ほどの人間が下についてるのかなんて
ゾロもタヌキも耳にタコが出来るほど聞かれてきた
2人とも答えはいっしょだったようだ
その答えに満足そうにゾロは立ち上がった
タヌキは大きく上に飛ぶと、追ってくる煙に向かって扇を振り下ろした
『【二尾の鉄扇】』
「!!!」
『貴女、早くしないと死んじゃうよ?』
「…九尾、タヌキ」
入り口のところでタヌキの戦いを見て腰を抜かしたたしぎに尻尾を差し出した
“九尾”の実力にたしぎは自分の未熟さを痛感する
2人が倒れたら自分がモネを倒すと力んでいた自分が恥ずかしい
顔を赤く染めたたしぎを尻尾持ち上げたタヌキの身体がきしりと痛んだ
初めて一尾を使ったからリバウンドがくるなんて知らなかった
『ありがとう』
「いや…こっちもイイもんみれたしな」
「おっ、降してください!
私は自分で歩けます!恥ずかしい!!」
結局、腰を抜かしたたしぎはゾロに持ってもらう
たしぎの声を海賊の2人は聞く耳を持たない
『そういえば私たちの船長が同盟組んだみたい、よろしくね』
「へぇ…そうなのか」
『チョッパーやナミを追いかけなきゃ
急がないと毒ガスが回ってくる』
1秒でも早くローのところに行かなきゃ!
取り戻した力に少し気が抜けるが、タヌキはもう一度気合を入れ直した
先陣を切りたしぎを担いだゾロをこっちだと案内する
『ちょっ、ちょっとちょっと!!
そっちじゃないって!こっち!!』
「ぁあ゛?」
なんで案内してるのに迷子になるの!
私はローのところに早く行きたいんだってば!!
タヌキは初めて海賊狩りの方向音痴の恐ろしさを知った