羽衣さん、ぱんくはざぁどの戦い【夏の陣 前半戦】
チェンジ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ロー、怒ってる?』
「お前はあんなことをして俺が怒ってないと思うのか」
『…おもわない』
「ならなぜ勝手なことをした!」
ローだって勝手に自分の心臓を差したのに
そんなことも言わせないほどの覇気でローはタヌキに詰め寄る
『だって…その方が話が進みそうだったし
あそこで私が渋ったらジョーカーも怪しむ』
「そんなことお前が気にすることじゃない!」
確かにシーザーの信頼を得るにはタヌキの手段が最善だったかもしれない
しかし、ローはそれが許せなかった
どんな理由にせよ、自分のものが他人に取られるなどローにとって許されることではない
「お前は俺のものだ
ここでの勝手は許さない」
『でも』
「タヌキ!俺の言うことを聞け!!」
いつにない声で怒鳴られ、グッと口を噛むタヌキ
タヌキがここまで引き下がらないのは珍しい
いつもはタヌキが先に謝る
そもそも、タヌキが引くからローの性格でも喧嘩をすることは少ない
ローも謝りを口にはしないものの、謝ればこちらも悪かったと照れ隠しのように乱暴にタヌキの頭を撫でてくるのをタヌキは知っていた
でも、今回はタヌキは謝らなかった
『………』
「……チッ」
頭に上りすぎだ血を下げようと、ローは一度部屋を出て行こうとした
その間際、ローの背中にタヌキが語りかけた
『ローが心臓をかけるなら、自分もそれ相応のモノをかけたいと思った…』
「……」
『尻尾は機を見て自分で取り返すから…ローはそのまま作戦の続行で大丈夫』
タヌキにそう小さく言われてはローは何も言えなかった
高をくくっていた…タヌキならいつでも己の満足させてくれる行動をすると
命令なんて形だけで、言わなくたってタヌキはローの希望通りに動いてきた
でも、今回は違った
完全な信頼感の押し付けにしすぎなかった
これは俺のミスだ
タヌキの力とも言える尻尾を奪ったのは自分だ
今のタヌキには目に見えて力がない
「…とにかくしばらく部屋を出るな…いいな」
『アイアイ…キャプテン』
「……」
やっぱり頭に血が上っているみたいだ
一度頭を冷やして、タヌキともう一度話し合おう
少しのミスが作戦を台無しにする
頭では分かっているのに、どうしても納得しない心に、ローはもう一度舌打ちをすると今度こそ部屋を出て行った
「あの力は…お前の命は全て俺のものだ
絶対に誰にも渡さねえ…あまり俺の愛をなめるな」
パタンと扉が閉まった