羽衣さん、ぱんくはざぁどの戦い【夏の陣 前半戦】
チェンジ
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パンクハザードに滞在して数ヶ月の間…決して短くはない時間をかけてローとタヌキは着々と情報を集めていた
“SAD”の位置は早々にタヌキが見つけたが、ローは当初の作戦通りこの島に居続けた
全てはジョーカーの全てを壊すため
もちろんバレないようにシーザーの実験の協力もしている
ひとつ問題があるとすれば、やはりというかシーザーとローの相性は悪いということだ
「急に呼びつけて何のようだ
大した用じゃないなら…」
「お前達がここに滞在する!
その代わり部下達の足をくれる…そりゃあありがてェよ…だが!!」
歌舞伎役者のような動きでローたちの前を横切るシーザー
散々能力を使わせといて何という言い分だ
しかし、その後ろで眼鏡の下からこちらをじっとり見つめるモネの方が、タヌキは気味が悪かった
彼女もローの能力によって両手両足が鳥のようになり、その姿はハーピー…鳥人間のようになっている
「お前は俺より強い!
この島のボスは俺だぞ!!
お前の立場を今よりもっと弱くするべきだ!!!」
…急に何を言い出すんだこいつは
この数ヶ月何もなかったではないか
誰かの入れ知恵か?
ローとタヌキは同時にモネを訝しげに見ていた
「別に危害は与えねぇ…今までもそうしてきた
どうすりゃ気がすむ…?」
「こうしよう!トラファルガー・ロー!!
俺の大切な秘書のモネの心臓をお前に預かって欲しい」
「『!?』」
「いいな?モネ」
「…ええ、いいわよ」
モネの心臓を?
モネが差し金じゃないのか?
「そのかわりにお前の心臓を俺によこせ!」
『!!!』
そんなのダメに決まってる
咄嗟に出ようとした叫びをタヌキは慌てて飲み込んだ
ローは一瞬考える素振りを見せたが、すぐに頷いた
「いいだろう
それで俺たちの行動は制限されないんだな」
もっと知るべきものがある
その代償を払うくらいの価値があるとローは確信していた
ここで止まるわけにはいかない
ここにある情報の価値をいやほど聞かされているタヌキももう何も言えない
「いや…もうひとつ」
「なんだ」
「お前…“九尾”だったよな」
「!!」
シーザーの目が今度はタヌキの方を向いた
『…そうだよ』
「俺はお前に興味がある…どうだ、お前のその力を…俺に貸してくれ!なぁに別に変なことはしねぇよ…シュロロロ」
「おい…っ!」
「九尾ほどの力があれば、ローを裏切りローの心臓関係なく俺を襲ってくるかもしれねぇからな!」
タヌキがそんなことするはずねぇだろ
腕を組みながら、自分の二の腕をギュッと力強く握りキッとシーザーを睨む
自身の心臓をやった、それだけでいいじゃねぇかとローは止めに入ろうとした
『いいよ』
「タヌキ!」
『それでローを信じてくれるなら』
タヌキが目を閉じるとふわりと携えていた尻尾が光に覆われた
その光はしばらくするとキャンディーほどサイズとなり、尻尾は消えていた
『はい』
「ぉお!!」
その黒く光り輝く玉はシーザーの手に収まった
それはローですら見たことのないことだった
「素晴らしい…素晴らしい力を感じるぞ」
『これで、ローとの契約成立だよね』
「シュロロロ…勿論だ!」
「……チッ」
「お互いに首根っこを掴み合ってりゃあ、お前は妙な気も起こせねぇ…なぁ、ロー」
まとわりつくように言われた言葉は今までで生きてきた中でトップクラスに不愉快だった