羽衣さん、あまぞんりりぃに上陸
チェンジ
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「もったいねぇなぁ、あそこまで入っておいて」
「入って見たかったよなぁ、女ヶ島〜」
女ヶ島は見えなくなったと言うのに、シャチやペンギンの頭の中は女ヶ島でいっぱいだ
「クマならよかったのになぁ」
「ベボは黙ってろ!」
「冥王が何をする気か
“D”は必ず嵐を呼ぶ…へへ…」
甲板に寝転んだベポを枕にローは寝そべり楽しみで仕方ない顔をする
“D”とはモンキー・D・ルフィのことだろうか
タヌキには違うように聞こえた
「船長!航路はコーティングしにシャボンディ諸島に向かえばいいですか?」
「いや…時期を待つ
暫くは新世界には入らない」
「「「「えーー!!??」」」」」
「まだ入らないんですか新世界!?」
ローの衝撃的な発言にクルーはみんなローを取り囲んだ
「時期を待つと言ったんだ
慌てるな、“ひとつなぎの大秘宝”は逃げやしねぇ」
「でも!早速“黒ひげ”の奴らが暴れ出して」
「潰し合う奴らは潰し合ってくれりゃいい
つまらねぇ戦いには参加しねぇ」
ローの頭の中に新たな画策が貼り巡り出されているのだろう
色んなことがあったからローも思うところがあったのだろう
人魚の島が遠ざかるのは少し残念だが、いつか必ず行けるのだからのんびり待つとしよう
タヌキはローとは反対側の縁に腰掛けてローの話を聞いていた
「ごちゃごちゃ言ってねぇで黙って俺に従え
取るべきイスは必ず奪う」
ローの気迫にハートのクルーは痺れ上がって頷く
同じく思わず頷いてしまった入ったばかりのジャンバールもこれが男も惚れるカリスマ性かと思った
最悪の世代、トラファルガー・ローは噂通りかなりの横暴…もとい多少の自由さはあるものの名を上げた海賊の船長なんてどこもこんなものだろう
それよりも…と同じく名を上げた八尾・タヌキに目を向けた
たった20人ほどの海賊団で、船長でもないのにタヌキの懸賞金は億に届きそうだ
麦わらの海賊団みたいに世界政府に喧嘩を売ったわけでも、キッド海賊団のように見境なく民間人を巻き込むほど暴れたとも聞かない
強かにそして確実に懸賞金を上げていったのを記憶している
想像したよりもずっと小さく華奢な体は初めこそ懸賞金のかけ過ぎかと思ったが、それはシャボンディ諸島と海軍本部でも戦いで間違いだと気づかされた
むしろもっと懸賞金をかけてもいいのではないかとすら思った
しかし、懸賞金は強さではなく海軍に対する危険さなのだから、タヌキの強さと呑気な性格からしたら妥当なのかもしれない
「お前は船長のもとに行かなくていいのか?」
『お前じゃなくてタヌキ
もう仲間でしょ?ジャンバール』
海風になびくタヌキの美しい髪にジャンバールはドキリとした
いかんいかん、今のを船長に気づかれてはばらばらにされてしまう
ぶんぶんと頭を振ったジャンバールにタヌキはハテナマークを飛ばしながらも笑いかける
『大丈夫だよ、ちゃんと聞こえてるから』
ジャンバールはタヌキには自分の心の内も全て聞かれてしまっているような気がした
船長がタヌキになら頼る気持ちがわかった
ジャンバールはタヌキの顔を見れなくなってしまった
そしてタヌキは、ローの話を聞きながらふとローと出会った時のことを思い出していた
『そういえば、この船はどこを目指しているの?』
「この海の果て…“ラフテル”」
『ラフテル…』
「ひとつなぎの財宝を手にして俺は海賊王になる」
『海賊王…この海の果て…なるほど、考えたこともなかった…素敵ね
この船に乗っていれば、世界の果てが見れるってわけだ…海賊王』
「当たり前だ」
ローは今なにを見ているのだろう
今のローには世界の果ては見えているのだろうか
こんなに近くにいるのに共に旅をすればするほどわからなくなる部分がある
私を呪縛から解いてくれたローに今度は私はなにが出来るだろうか
ずっとずっと考えてきた
だいだらぼっちとの戦いで命をかけてくれたローをタヌキは忘れることができない
今度は私が命をかける番だ
何を目指してても私は貴方についていくよ、海賊王