羽衣さん、診られる
チェンジ
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『ベポぉ』
「タヌキ、お疲れ」
案の定、ふらふらで帰ってきたタヌキをベポの肉球がポムポムとなでた
それを横目で見つつローはタヌキのカルテを見た
能力者でもねえし体も健康体そのものだ…筋肉のつき方に特徴もない
タヌキが話したことは本当か…?
武器をほとんど使わず主に尻尾で戦うタヌキに、剣を握るローのような筋肉はつかないし、体術で戦うベポのように…ベポは少し特殊か…つまりローが予測した体ではなかった
尻尾さえ出さなければタヌキはそこらへんの一般人と変わらぬ体つきだった
それが尚更怪しい
「タヌキ、お前の風呂とトイレだが」
『あ、うん……』
「俺の部屋のを使え」
『え?』
「風呂場はあるにはあるが、ここは男所帯だ
風呂も女用なんてなけりゃ鍵なんてもんもねぇ…覗かれてぇてんなら俺はそっちでも構わねぇが…」
『ゔっ…わかりました』
「部屋も…俺の部屋を使うか?」
『いっ、いい!ベポと一緒に測量室で寝るから!!』
ぐりぐりとベポの体に埋まるタヌキ
いいなぁと言うシャチの声が漏れる
こいつのことなら襲われることもなさそうだが、手を出したらどうなるかクルーには全員言っておくか…
「ククッ、そうか…気が向いたらいつでも来い」
『向かない!』
少しずつタヌキの他人行儀な羽衣がとれていくのを可笑しそうにローは笑った
そしてまたカルテに目をやる
もうひとつ確かめなければならないことがある
血液型だ
“不一致、不明”
どの血液型とも合わなかった
まさかタヌキも血液型の根本が違うなんて思いもしなかった
まだ隠し持ってることがありそうだな
俺に隠しごとなんていい度胸じゃねぇか
これからしばらく退屈せずに済みそうだ