羽衣さん、終わってはじまる
チェンジ
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おかしい
いつもと違う
いつもならもう…
“タヌキ”
『其方は…』
“タヌキ、すまない”
気がつけば白い空間、目の前に髪の長い女
深く深く頭を下げ長い髪で顔が隠れてしまっているその人…人ではないようだけれど
どこか懐かしく感じる
『其方は誰じゃ
妾もう行かねばならぬ』
“もういい…貴女の運命は終わった”
『どういうことじゃ?』
“貴女のおかげで運命が変わった
あの世界は変わった”
『変わったと?…妾はなにも』
“辛い思いをさせた
聞きたくないかもしれない
しかし、言わせておくれ
貴女を選んで良かった”
その言葉で全てがわかった
こいつのせいで私は“羽衣狐”になったのだ
『…ッなにを勝手なことを』
“……すまない、タヌキ
こちらの力不足で遅くなってしまった”
『其方のせいで妾はッ…私がどんな思いで!』
“…ほんとうにすまないと思う”
『そんな一言で片付くと思うな!人を襲い殺め死してなお終わらない運命を!』
“………貴女の言う通り…だが…タヌキ?”
『…もういいの?
もう…私悪いことしなくてもいいの?』
“……あぁ”
『もう自由になって…いいの?』
“ああ…”
『良かった…ッ』
“貴女もう自由に生きていい…元のあの世界は無理なのだけど”
『生きていいの…?自由に』
“もちろん!貴女の運命は終わった
ただすまない、羽衣狐として生きた期間が長すぎた…もう人間には戻れない”
『…そっか…うん大丈夫、もうこの姿で永く生きてきた…愛着もあるし、今更普通の人間になっても変な感じがするから』
“タヌキ、貴女の生きる世界は是非君が選んでほしい
世界は数多ある
もう苦しまなくてすむ世界があるはずだから”
『うん』
“気をつけてほしいことはひとつ
その世界の者と交わってしまえばどんな世界だろうとその世界から離れることはできなくなる”
『わかった』
“では、渡り方を教える”
『ありがとう!また生きるチャンスをくれて』
“お礼を言うのはこっちほうだ
感謝してもしきれない
いってらっしゃい、今度は自由生きて
もう貴女を制限するものなんてない
そして忘れるな
貴女のそばにはいつも妾がいる…恐れず進め”