「タヌキ、つけ」


大将との対決の余韻を浸る暇もないままタヌキはローの指示で手洗いをし、ローの横につく

ハートの海賊団はローの指示のもと、タヌキも手術室看護師・オペナースとしてオペ中もローの隣にいる

ローがメスといえばメスを出し、汗と言えば汗を拭く、ローの指示を分かりやすく伝える

外はまだ騒がしいがそんなこと気にしていられない

タヌキ的にはここも戦場だ

まだ戦場の中にいる


『脈拍落ち着いて…っ！！』


クマノミが舵をきり全力で逃げるが、地上から来る青きじと黄ざるの攻撃によって海は波打ち船内は大きく揺れる

機械台やベッドサイドモニターをはじめとする複数の医療機器が動かないように尻尾で抑える

メスなどには触れないよう細心の注意を払う

いくらすると思ってんだ、馬鹿！

後ろでモニターを見ながら血圧、心拍数などをチェックしていたペンギンの気持ちが透けてわかるようだった

ベポが怯えているのも構っていられない

そんなタヌキの様子にローは落ち着いた風で迷いなくメスを入れる


「問題ないな、続ける」


手術は時間との勝負だ

ローと麦わらのルフィの戦いは始まったばかりだ