羽衣さん、夏島【残暑】
チェンジ
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潜水式を終え、出港前にハートの海賊団はやらなくてはいけないことが1つあった
「船員のいなくなった船なんてもう魂のない死体
この葬儀、俺がやるよ」
その提案はクマノミからだった
その言葉にハートの海賊団は頷き、反対するものはいなかった
機械のエキスパートのクマノミだが、特に彼の“分解”に置いて右に出るものはいない
その腕を見込んでローは船の“機関工”として引き込んだのだ
荷物も全部運びだし、魂が抜け空になったホーム
別れを惜しむようにそっと手を触れ
目を瞑り
大きく息を吸ったロー
冷たいボディがローの体温を奪い、そこだけ少し温かくなった
この船は懐かしいノースブルーの発明家が作ってくれたものだ
ハートの海賊団の心臓に彼からは“優しさ”をもらった
その彼から貰った大切な…大切な俺の心臓の一部だ
だから…別れだ
「頼む…」
「うん」
クマノミは頷き、ローと入れ替わるように船の横についた
タヌキは横についたローの手を握る
ベポなんかは耐えられずシャチに抱きついている
いつもは荒く剥がすシャチも今回ばかりはベポの背中を優しくたたている
漏れ出した涙はその毛に隠れた
「海は見ている 世界の始まりも
海は知っている 世界の終わりも
だからいざなう 進むべき道へと」
クマノミによって祈りも似た歌が捧げられる
葬儀には荒々しく、解体には優しく作業は続けられた
「恐れてはいけない あなたがいるから
怯えてはいけない 仲間も待つから
進まねばならない 蒼きその先へ」
最後に船長のローの手によって海へと散骨され葬儀は終わった
「俺たちはもっと強くなる
大将にも…七武海にも四皇にだって負けねぇ
ラフテルにたどり着き海賊王になるその日まで…俺たちを見守っててくれ」
天候は晴天
波は凪
風は追い風南風
ハートの海賊団は新しい船・ポーラータング号に乗り込み次の島へと出航した