羽衣さん、日常
チェンジ
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「あれ?船長とタヌキちゃんは?」
クマノミが急なオペに戸惑いながら、刺青をいれたばかりの背中を冷やし出てきた頃にはローはいなかった
全く、ベポちゃんとタヌキちゃん以外に冷たいんだから
「おーおー、遅い登場だな、機械オタク」
「クマノミが甲板にくるなんて珍しいね」
「まっ、主治医の命令でね、少しずつ慣らしていけって」
胸を張っていうクマノミだが、日陰からは出ずにドアの横に座った
1日の大半をエンジンルームで過ごすクマノミは、クリオネの嫌味を気にしていない
ここが春島だからだろうか柔らかい日差しの中で、クマノミは存外苦しくなさそうにニコニコとしている
ほんの数ヶ月前には死にそうだったなんて信じられない
流石、我らが船長
「船長とタヌキなら町へ出てるぜ」
ベポも連れずに2人っきりで
つまりはそういうこと
寝ているベポを枕がわりにシャチが答えた
ハートの海賊団ではよくあることだ
野暮なことを聞くやつはこの船にはいない
町であったら気まずいしと、大半のクルーが船内に残り日光浴という名目で甲板でダラけている
クマノミのみならず、ハートの海賊団では日光不足によるビタミン不足を防ぐため定期的に日光を浴びるようにしている
治安が落ち着いているというこの島はのどかでペポも気持ちよさそうに昼寝中だ
「そっかー」
少しだけ残念そうにその輪に加わるクマノミをイッカクが止める
「なんか用だったの?」
「頼まれてたんだ、小電伝虫
タヌキちゃん、前の戦いで無くしちゃったでしょ」
先の島でタヌキはうっかり尻尾にしまってあった小電伝虫を落としてしまい、野に帰ってしまったのだ
シュンと落ち込むタヌキにクマノミが簡単に作れるよというので、隣いたローも新調することにしたのだ
「!!、なにそれ!」
「なんか…それ普通のと違うくねえか?」
クマノミがポケットから取り出した2匹の小電伝虫
1匹は、モコモコのトラ柄の帽子を被り、お腹にはにこやかに笑うハートの海賊団のマークを携えている
それに寄り添うもう1匹も、揃い帽子に揃いのマーク
違うのは体がほんのりピンク色なのと、おしりに尻尾があることくらいだろうか
「かわいいでしょ?
カスタマイズしといた」
「かわいい!」
指先で小電伝虫を撫でるクマノミ
イッカクが早速1匹注文している
お前も船長たち大好きかよ
普段はおくびにも出さないクマノミも立派なハートの海賊団だ
ローとタヌキの部屋に2人そっくりの電伝虫が並べて飼われることとなった