羽衣さん、夏島【晩夏】
チェンジ
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「…ハァ…ハァ…」
「クフフフッ、噂よりも随分と弱いな、死の外科医!!」
膝をつきながら尚もこちらを睨みつけるローに高笑うキテ
「一瞬で間合いを詰めてきやがって…どう言う仕掛けだ?」
「ンタシは瞬間移動が出来るんだよ!!」
「チッ、んなわけなるかよ」
右手ばかりで攻撃してくるキテ
何の実かは知らねぇが、奴の右に安易に触れれば小さくなってしまうのだろう
あからさまな攻撃は自分で自身の右手が危ないと言っているようなものだ
タヌキとベポを小さくしたのも奴の右手
能力も理解はしているし攻撃パターンは単純馬鹿だ
しかし、どうゆう原理か…一瞬で間合いを詰めてくるキテに手こずっていた
…これも悪魔の実か?
「いい加減諦めてくれないか、死の外科医!!」
「shambles!」
「ヒィッ!またか!!」
キテもまたローの能力に手こずり、1発を決め切れていない
「貴様こそいったいどういう能力なんだ!」
米神に血管が浮き出て苛立ちを隠そうともせず、また一瞬ののちローの間合いに入ってくる
「時間の無駄だというのがまた分からないのか?
遅かれ早かれンタシの瞬間移動でッ!?」
「やっと見えたぜ」
「あ゛?」
「膝抜きか…お前のご自慢の技は」
「……ちちちちちちがいますぅぅうううう!!!」
わかりやすく動揺したキテ
「何度も使えば精度も落ちる」
タネが分かって仕舞えばこっちのものだ
「この俺にバレる前に決めきれなかったのがお前の弱さだ」
キテの言う瞬間移動というのは、もちろん本当に瞬間移動しているわけではない
地面を蹴って走るのではなく、地球の引力、つまり自然落下を使ってむしろ早く歩くことで瞬間的な初動の速さがあるだけ
見慣れない動きにより早く感じてしまっていただけだ
と、どこかの本に載っていたのをローは思い出した
「よっ、ようやく気づいたか!!…まあ、気づいたところでさして問題ではないぞ…ンタシの能力は付属品でしかない!真のエンジンはこの足にあり!」
「…フッ」
通りであのタヌキとベポが捕まったわけだ
煙幕で目が慣れるほんの数秒の間に、その右手で触れればいい
「もうお前の攻撃は受けねぇよ」
「なに?」
「お前は瞬間移動の前に右の眉が上がるな」
「なにっ!?」
「だから」
「ぅぅうううううるさーーい!
そんなことわかったって!ンタシの!攻撃からは!逃れない!!」
さっきまで息を切らしていたローはスッと立ち上がり帽子を被り直した
わかりやすく動揺したキテの右手がローに触れようとした瞬間、地面が迫り上がる
「まあ…嘘だがな」
「何度も同じ手に…ッ!!」
「tact」
ローがずっと展開していた円が反応し、ローの目の前の地面がタクトでせり上がりキテの攻撃を防いだ
「…今度は何だッ!?」
違和感を感じとったキテは大きく間合いを取るがもう遅かった
「scan」
ローの手の中に殻にMarinの文字が入った小電伝虫があった
「面白いもん持ってるな」
「ンナタ!いつのまにッ…!」
タクトでせり上がった地面の石の破片を手に取りシャンブルズしたのだ
ローの能力を理解しきれていないキテは驚きを隠せない
「…どうやら“クマさん”とやらの仲間ではなさそうだな」
「きっ貴様ァァアアア!!」
「お前には聞くことが沢山ありそうだ」
極悪人が笑った