羽衣さん、夏島【晩夏】
チェンジ
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「ここは…」
「目が覚めたか?」
「………?」
見慣れぬ天井に、どこかで聞いたことのある声
状況が読み込めていないのかペタペタと自分の体を触って確認するクマさんに、動くと傷が開くぞとローが忠告する
「そんな確認しなくても、生きてるよてめぇは」
「…生きてる?おいおい嘘だろ、だって…」
あんなに日の光を浴びたのに
「そのままなら3日と持たず死んでただろうな」
「あぁ…死ぬんだよな俺…いや、死んだんだよな」
「俺は医者だ…神じゃねぇ
死にたいときに死ねると思うな」
冷たいのか優しいのか判断に迷うセリフだが、どうやらこの男のお陰で助かったことは理解した
ふてぶてしくコーヒーを飲んでいる姿はとてもそうは思えないが
「完治したわけじゃねぇ
症状は軽くなったとはいえお前はその病気と一生付き合っていかなきゃならない」
「いや…生きてるんならそれでかなわないよ」
握りしめる拳が自分の意思通りに動く
その感覚を何度も確認した
「…その背中の刻印もな」
「…やっぱり見たのか」
「治療だからな
お前…奴隷だったのか」
ローのオブラートにも包まないど直球の言葉に、クマさんの肩がピクリと動いた
「……それでも…かまわないさ、生きてんなら」
胸に手を当てとくりとくりと胸を打つ心臓を感じた
「…あったかいな」
「とりあえず、栄養を取れ
病人食を準備させてある…ついてこい」
カルテを見ながら、部屋のドアを開ける
食堂でラッコが作って待っているはずだ
たが、後ろからついてこないクマさん
「なんだ?」
「あんた、本当に海賊か?海軍じゃないのか?
俺を騙してたのが海賊であんたが本当の海軍なんだろ」
「ちげぇ、そんなくだらねぇ質問二度とすんじゃねぇ」
これ以上言ったら本気で切られそうだとクマさんは口をつぐみ、ローの後を追い食堂へ向かった
食堂につけば、丁度昼時でクルーたちがそろっていた
全員いるなとローが視線で確認する
「新しく機関士が仲間になった」
「………っはっぁあああああ!!!!????」
食堂に着いた途端された宣言にクマさんの叫び声が響きわたった
「傷が開く、叫ぶな」
「ぇえ!そうなの!」
「俺の下な!!」
「んだよお前水臭いな、先に言えよ!」
なんでこいつら受け入れてるんだ
驚きのあまり二の句を継げれなかった
「クマさんってなんか変だよな」
「おう、うちにはもうクマいるしな」
「お前、名前なんていうんだよ」
「……クマノミ」
『なるほど、通りでクマさん』
クマノミの前に美味しそうに湯気を立てたお粥が置かれた