羽衣さん、夏島【晩夏】
チェンジ
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タヌキが手を出すまでもなく、ローはあっという間に海軍を蹴散らしてしまった
それはいつもより荒々しかった
ドッグの真ん中でいつぶりか日の元に晒されたクマさんはカタリと横たわっている
一番に駆け寄ったのはドーリィだった
「クマさん!クマさん…死なないよね」
「ヒュゥ…間抜けずら…するんじゃねぇよ…ドーリィ」
涙を流すドーリィに、クマさんはそれを拭き取ってやる腕を上げることも出来なかった
喉の筋肉も口の筋肉も重い…まぶたはこんなに重たかったか
「クマさんッ!クマさんッ!!」
「いぃ…ヒュゥ…てんき…だなぁ…ドォ…ぃ」
太陽はこんなに暖かったのか
真夏島のメカトピアの眩しすぎる日差しがクマさんを痛いほど照りつけた
ドーリィの膝の上に頭を乗せられクマさんはもうそんな力もないのに笑っていた
「俺も…」
『ロー?』
「俺も死にそうだったらあぁやってくれるか?タヌキ」
死を覚悟しても尚、笑うことは果たして自分には出来るだろうか
『…もしローが望むなら』
「……?」
『心臓が止まっても離さない』
「タヌキ…」
『その息が止まって鼓動も止まって体温がなくなってもずっとそばにいてあげる…ローがいいって言うまで』
ずっと…
ずっと…
してあげる
「そうか」
そういうローの顔はタヌキからは逆光で伺うことは出来ないが、ローからもまた下を向いてしまったタヌキの顔は見えなかった
ガタリ
大屋根が崩れ落ちた