羽衣さん、夏島【晩夏】
チェンジ
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「ぅぐ」
「ドーリィ!?」
「あーぁ、健気な奴だ
やめてくれ、反吐が出そうだ
なぜ、そこまでするのか理解は出来ないがね」
「ッ!助けてクマさん!」
「こいつも、もうすぐ死ぬお前なんかほっとけばいいものを我々の邪魔をするからこうなるのだ」
思わず尻尾が唸るが、それをローが止めた
なんでと文句を言おうとしたタヌキだが、ローの表情を見て逆立った尻尾をおさえた
タヌキ以上にローは苛立ち、ピリピリとした覇気を肌に感じる
「お前も赤の他人のこいつなんぞ身捨てればいいものを」
「…守るのに理由がいるってんなら…俺はドーリィの家族だからさ!兄ちゃんだからだよ!!グフッッ…それだけじゃ、駄目なのかい!?なあ中尉!!」
「……」
「俺ァろくでもねぇ男だけど…ヒュゥ…可愛い妹も守れねぇ腑抜けにはなった覚えはないんだ…ッ!!」
クマさんはドッグの壁に飾ってあった人の腕ほどあるレンチを持つと鮮やかな動きで中将を押していく
「チッ!どこからそんな力がッ…!!」
「すげぇ…病人の動きかよ!?」
それはペンギンが唸るほどの動きだった
おもっきり投げ壁で跳ね返ったレンチを軽々と片手でキャッチして振り上げる
まさかそんな力が残っているとおもっていなかった海軍に動揺が走った
クマさんのレンチが中尉の頭を捉える
とほぼ同時に、燃えた天井から日差しが漏れてクマさんに当たった
地下にいたロー達にはわからなかったが、いつのまにか日が登る時間になっていた
日差しが当たった瞬間クマさんは膝から崩れ落ち、攻撃が中尉に当たることなくレンチはカランと音を立てて床に落ちた
「…ヒュゥ…ッッ」
「フヒッ、ヒヒッ!!いい気味だ!
私に逆らうとどうなるか!その身体に刻み込んでやる…ア゛ッ!?」
ランチを拾い上げ今度は中尉がクマさんの頭部を狙うが、ローの一振りで中将は崩れ落ちた
「ト、トラファルガァアアア!!
なぜ貴様がクマさんの味方する!?人助けのつもりか?海賊風情の貴様が!?」
「………」
容赦のない一撃と共に、ポツリと吐いた言葉を聞いたタヌキだけたった
「必死で妹を守ろうって奴は見捨てられねぇんだ」