羽衣さん、夏島【晩夏】
チェンジ
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「『!!!』」
「……大屋根が…燃えている… なんでッ!?」
大声を出したことでクマさんは大きく咳き込んだ
見上げると天井どころか、屋根の方まで火が燃えており、隙間から空も見える
「なぜッ…あれが燃えちまったら…この建物はッ、崩れ落ちるぞ!誰が…ヒュッ…こんなことをッ」
「やあやあクマさん!こんなゴミダメでお目にかかれて光栄ですな」
ローたちがやってきた扉から現れたのは沢山の部下を引き連れた海軍だった
その中にはローが倒したキテもいてタヌキを睨んでいる
なによりもローやクマさんの目を引いたのは、海兵に捕まったドーリィの姿だった
「クマさん!!」
「!!、こいつぁ…ヒュゥ…契約違反じゃ、ないのか…中尉ッ!!」
「なに…問題ない
町のゴロツキとの約束など誰が気にする?
まぁ、そのゴロツキももうこの世からいなくなるがな」
「このッグゥ…」
「あまり無理をするな
苦しみが長くなるだけだ…少々邪魔な奴がいるが、クマさんと共に消し去ればいい」
中尉は虫けらを見るようにロー達を冷たく見る
が、ローもタヌキも微動だにせず、2人もまた中尉を冷たく睨みつけた
「クマさん…ッ!!」
「お前もクマさんと関わらなければ、今ごろ町の馬鹿どものように平和に生きられたのになぁ」
「きゃぷてん!!」
中尉の言葉も遮るように、崩れ落ちた天井からベポを抱えたペンギンたちが降ってきた
「船長!ベポがタヌキとはぐれたみたいでッ」
『ベポ!よかった無事だった!!』
「て、あれ?タヌキ??」
ベポに駆け寄る元の姿に戻ったタヌキに、ペンギンたちは目を白黒させて驚く
タヌキが尻尾に隠し持っていたキテの左手もベポに当てるとベポも元の姿へと戻っていく
ベポを抱えていたペンギンは耐えきれずベポの下敷きとなった
「!?うわっ!!重ッ」
「戻った!!」
「!!、ンタシの左手!!」
『ベポ!!』
「タヌキ!ベポに飛びつくな!どけ!!」
そんなペンギンを助けようともせず、クリオネはさっさとローの方へと駆け寄った
「船長!あいつドーリィを盾に!」
「あぁ…知ってる」
ぱきぱきと屋根の部分が崩れ落ちる音がする
「今、イッカク達が火消しを!
ただ避難は早めにしないと!船長!命令を!!」
「わかってる」
ローはクリオネたちに応えながらも、その目はずっとクマさんを捉えていた