羽衣さん、夏島【残暑】
チェンジ
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メカトピアでの造船の途中で、季節は夏に入った
「今年は早いな…超積乱雲がでてるし暑くなりそうだな」
それを聞いたベポは震え上がり、クマノミに詰め寄った
「クマノミ!早く船作って!急いで作って!夏が来る前に!!」
「そんなこと言われてももう夏だし
注意報がでて今日は何にもできないよ」
猛暑による注意報が発令され、造船作業はストップ
街の電力は冷房機器に当てられている
「!!、〜〜〜っ」
ベポが溶けた
「クマノミは暑くないの?」
「暑いけど気持ち良くない?
イッカクも外出たら?」
「いや!」
イッカクは冷房が効いた室内の奥へと消えていった
極寒の冬島出身のイッカクはずっと項垂れている
隣にいたウニに、その身体では暑さを感じるのか聞かれ、気分の問題だとイッカクは胸を張って答えていた
「船も造れないし、ちょうどいいや
この島の観光していきなよ!」
ドーリィが僕が案内するからさと項垂れているハートのクルーに声をかける
「本当か!?」
「行きたいところある?」
「おまっ!夏島の夏だぞ!!」
暑さでだれていたシャチたちが飛び上がる
「???」
「海に決まってるだろ!!!」
はしゃぐ大の大人を止めるものはだれもいない
「じゃあ町一番のビーチに案内するよ!」
「いぇーい!待ってました!」
「ビキニのお姉さん!!」
早速着替えドーリィの背を押し、我先にとビーチへと向かうシャチたち
大きな浮き輪を手にタヌキもその後に続こうとしたのをローが呼び止めた
「待て、お前その格好でいくのか」
『?、うん』
タヌキが着ていたのはこの島の最新ファッションだという水着で、いわゆる王道ビキニタイプだった
晒された素肌に映える美しい真珠色の水着は、背中がばっくりと空いておりローの入れた刺青も晒され、髪がアップされ首筋から見える首ひもは心許ない
脚を覆ういつものタイツはなく素足が晒され、形の良いヒップのラインも見える
いつもなら恥ずかしがりそうなものだが、タヌキも夏島で浮かれている
「ハハッ、船長も大変だねぇ」
ローの心情をいち早く察したクマノミが地元民もあまり来ないという穴場のビーチを案内してくれた
「タヌキ、すっごく似合ってるよ!!」
『ありがとう!ベポ』
浜辺のパラソルベンチに寝転ぶローはもちろん入る気はない
そこにクマノミがこの島名産のワインを渡す
「泳げないなんて能力者って大変だね」
「ずいぶん元気そうだな」
「主治医が素晴らしいからかな」
「ハッ…ちげぇねぇ」
遮光パーカーに身を包み、帽子も被ってなんとも暑そうな完全防備だが、夏島メカトピアの日差しのもと立っているのもずいぶん改善した
「おい、あんまり見るな」
「なに?俺にも言うの?それ」
浅瀬でベポと戯れるのはなんとも楽しそうだ
こうして見ると、賞金首には到底みえない
『ロー』
「もういいのか」
『ん』
ローは着ていたパーカーをタヌキに着せる
おー、彼シャツ
大きすぎてもはやパパシャツの様だ
穏やかな2人にクマノミまで穏やかな気持ちになった
強引な引き込みで船に乗ることになってしまったが、もうクマノミに不満はなかった