羽衣さん、夏島【初夏】
チェンジ
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念のためローのスキャンを受けたが、体に異常はなく問題なしでちっちゃいままのベポとタヌキ
その間にドーリィは見失ってしまったが、シャチとペンギンが逃げ帰った男の建物の入り口まで突き止めていた
2人だけで中に入るのは危険との判断で、1度船長の判断を煽ることにして戻ってきた
途中で地団駄を踏んでいたドーリィを捕まえて
「つまり放っておいても害はないが、ずっとこのままってことか?」
「うん…何人か元の姿に戻ったこともあるから…元に戻す方法があるはずなんだ」
ドーリィが手伝っているという飯屋にローたちは来ていた
1階は飯屋の住居は開店前で準備もまだのようだった
そこでドーリィから先ほどの男と能力について聞いていた
「戻る方法はわからねぇのか」
「うん…ごめん、くまとお姉ちゃん」
「全くだ、お前が邪魔をしなきゃあいつを捕まえられた」
「………」
相手が子供だというのにローの態度は威圧的だ
不機嫌も振り切れているのがみて取れる
もはやどうやって機嫌を直せばいいかわからないペンギンが困り果てて、視線でシャチに訴える
俺かよッと思いながら、自らの船長をなんとか宥めようと努める
タヌキたちもそうだが船長が不機嫌なのも早急に戻って欲しい
「まっまあ!このままでも害はないってわかっただけよかったよな」
「アイツは、気まぐれに街に現れて近くにいる人を子供の姿に変えちゃうんだ」
「さっきみたいにか?」
「うん…それで、脅して金を奪ったり銃や船を作らせたり…」
「船を?売るのか?」
この島は鉄鋼の島と言うだけあって、上質な鉄を生み出す技術も加工する技術も職人も申し分ない
売ればそこそこ良い値で売れるだろう
「わかんない…でもアイツの“躾の鎖”は抵抗する力を奪うんだ
それでみんな言う事を聞くしかないんだ」
『だからあのとき、ちからがでなかったんだ!』
「うん、なんかへにゃへにゃあって!」
会話に割り込んできたのは、あまじょっぱい海の味のフロートを両手で力強く握りしめて訴えかける幼女と子ぐま
さっき同じ味のアイスを食べたばかりじゃなかったか…よほど気に入ったみたいだ
幼くなったことによりタヌキの尻尾も耳も出しっ放しだが、これは言わない方がいいだろうか
堪らずため息が出たペンギンが顔を上げる
「………」
「船長、かおかお!」
顔が緩むのも無理ないが、残念ながらハートの海賊団にカメラも映像電伝虫もない
とにかくこのままでは航海に支障がでると判断し、シャチと顔を合わせる
落ち着くために船に帰らずここに来て正解だった
ここに他のクルーがいなくて本当に良かった
これは取り乱す奴が何人いるか知れない
「あいつはクマさんと言っていたが、そいつが親玉なんだろ?そいつをやればいいわけだ」
「違うよ!!」
急に声を張り上げるドーリィ
顔を下に向け拳はズボンを握っている
「クマさんがそんなことするはずないんだ…あいつが言ってることは嘘だ!」
「ほう、その根拠はあるんだろうな」
「ッ!、クマのにいちゃんがそんなことするはずがないんだ!!」
なるほど身内だったか
これは面倒くさいとドーリィを置いてこちらで解決するかとローが思案した時、奥の扉が開いた