羽衣さん、夏島【初夏】
チェンジ
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『わっ!』
「ひゃっ!」
タヌキとベポの短い悲鳴と金属のガシャンという激しい音
「タヌキ!ベポ!」
「なっ、なんだこの煙!?」
煙が晴れると檻の中に小さな女の子と白い子ぐまがいた
「「「は…?」」」
ローたちの思考は一時停止した
「きゃぷてんッ!!」
キャプテンなんて叫ぶ白くま1匹しか知らない
そして、隣にいるのは先程タヌキと同じ服を着た子供
『りぉー! 』
舌ったらずながらローの名前を必死に呼んでいる
「船長、もしかしてあれタヌキとベポっすか?」
「…だろうな」
信じられないが、ありえないことがありえない偉大なる航海だ
捨てるのは常識
目の前で起こったことを信じるしかない
タヌキがいつも通り尻尾で檻を破ろうとするも尻尾に力が入らない、ふわりと漂うだけとソレに隣にいるベポも檻に攻撃を弾かれた
力も奪われている様子に顔をしかめるローたち
「ンフフフフ…無駄だ、ンタシの能力を受け“躾の檻”を敗れたものはいない!」
「能力者か」
オールバックにインテリを思わせる眼鏡をかけた長身の男が檻の横に立っていた
「むっ、ンナタ見ない顔だな…ンフッ!そのジョリーロジャー!海賊か!!」
ローたちが海賊だと気づくと男の目は鋭さを増した
しかし、ンフーンッと眉間に手を当てた後、何を思ったのか攻撃の構えを解いた
「ンフッまぁ…いいでしょう…ンナタ達運がいい!
ンタシには別にやることがありますから…
ンナタらもこの島にいるのなら覚えておくがいい!ここで暴れンタシに逆らうと言うことはクマさんの命令に背くといくことを!!!」
『クマしゃん…?』
思わずベポを見てしまったが、ベポは知らないと必死で首を振った
独り言の多い男だが、広場にいた者たちがその名を聞いて顔を青ざめ引いていく
その反応にニヤリと笑った男
「コレは私が貰っていこう…クマさんの手土産にっ!!」
タヌキたちが入った檻をガンッと叩く姿にローは鬼哭を振りかざした
「タヌキ、ベポ、しゃがめ!room…」
クマさん
その名前に疑問を持ちながらもローが一振りすると檻は真っ二つ
「ンハッ!?檻が!」
まさか距離のあるところから檻を切られるなんて思っても見なかったのか、男は大きくたじろいだ
その檻から出れば、いつも通りタヌキの尻尾が動く
『よくもッ…!!』
「待って!!」
檻から出てタヌキが一撃をくらわそうとすると、横からドーリィがでてきてその一手を止めた
その手には錆び付いた鉄パイプを持っているが、頼りない
『ドーリィ?』
「ごめん、タヌキお姉ちゃん!こいつは僕がやらないと気が済まないんだッ!!」
「チッ…能力者がいやがる、逃げろッ!!」
「待てっ!!」
『!!』
「うわっ!」
また煙幕が舞う
途端タヌキとベポの体がへなへなと崩れ落ちていく
「逃すかっ!」
「タヌキ!ベポ!…チッ、お前ら追え」
「「アイアイっ!!」」
座り込んでしまった1人と1匹を診るためローはシャチとペンギンに後を追わせる
ドーリィは我先にと言ってしまった
さてどうするかと思ったら、煙幕が晴れた途端2人は元気を取り戻した
あの“躾の檻”のような効果がこの煙にもあったようだ