羽衣さん、夏島【初夏】
チェンジ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここは鉄鋼の島、メカトピア
そして真夏島だ
「ゔぅ〜あづい〜」
「そんな着ぐるみ着てたら暑いだろうよ」
「ちがーうよ!着ぐるみじゃないよ!!」
「暑ちぃッ!暑ちぃから抱きつくんじゃねーよ!!」
ノースブルー出身の者も多いハートの海賊団では、半数以上がその暑さにダウンしていた
ツナギから身軽なTシャツへと着替えたが、全身毛に覆われたベポだけはどうにも辛そうだ
ローの医療品の買い出しに自ら付いてきたはいいがすっかりダウンしてしまった
「ごめんねータヌキー」
『いいよ、ちょうど私も暑かったし』
ローたちが買い物をする店の向かいの広場にある日陰のベンチでアイス片手に涼むタヌキとベポ
海を思わせる透けた青色のアイスは甘くてしょっぱい海の味とある…不思議な味だが、とても美味しかった
確率はかなり低いがあたり付きらしい
どうやら今回はハズレのようだ
なにも書かれていないハズレの棒を横にあったゴミ箱に捨てたタヌキも流石に暑く、拭っても拭っても額の汗はなくならない
日本の夏とはまた違った暑さに参った
照りつける日差しを睨みながら、聞けばまだ初夏にもなってないというのだから白くまは震えた
この島で計画通り船の改装となるとしばらくこの暑さと戦うことになるだろう
ぐでぇとしてる1人と1匹の前を子どもが通り過ぎた時、持っていた袋からころんころんと美味しそうな蜜柑が転がった
『これ落としたよ』
「ありがとー!僕、鉄ポン大好きなんだ!お姉ちゃんッ…とクマぁああ!?」
「クマですみません…」
「打たれ弱いッ!!」
『どういたしまして
重そうな荷物だね』
「うん、おつかいなんだ!僕はドーリィ!お姉ちゃんとくまは?旅の人?」
「うん、俺はベポ!こっちは仲間のタヌキッ!!」
食べ終わったアイスの棒をくわえながらぽむぽむとタヌキの肩を叩くベポ
初めは驚いたものの、にこにことこちらに話しかけてくるドーリィはどうやら人見知りというものをしないらしい
半袖半ズボンから覗く手足がこんがりと焼けて、口にタヌキ達が食べていた海の味のアイスをくわえたドーリィはこの島の子のようだ
「そうだ!お礼に美味い料理を食わしてあげる!うちのシュクラおじさんの飯はうまいんだ!!」
「あいにく飯を食ったばかりだ
遠慮しておこう」
ドーリィの提案に答えたのは買い物を終えたローだった
その後ろでシャチとペンギンが大量の荷物持ちをして、ベポにも持てと訴えかける
ドーリィはローの風貌に驚きながらもにこにことしている
怖いもの知らずというか…子どもは時おり恐ろしいほど素直だ
「そっか…あっ!じゃあ、なにか直して欲しいものはあるか?これでも僕、この島で修理屋してんだ!」
「お前が…?」
「うん!僕は偉大なる航海一の機関工になるんだぜッ!!!」
元気いっぱいにそう答えるドーリィ
失礼だかとてもそうは見えない
冷たい対応だが、いやいいとローが断ろうとしたとき広場に煙が包んだ