羽衣さん、春島【晩春】
チェンジ
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「タヌキ」
差し出された手に、タヌキは尻尾の奥から盗み出した資料を取り出した
妖術により4次元ポケット的になっているのをローは重宝していた
セイウチ親分は衰えたと言ったカジノでも、相当の宝が手に入れられた
もし最盛期に上陸していればもっと金や情報を手に入れられただろうか
そしてあるいは…“ジョーカー”、ドンキホーテ・ドフラミンゴと対峙していたかもしれない
そんなもしも…なんて考えるだけ無駄だと、ローは目の前の資料に目を向けた
裏の情報が書かれた紙が今回の事件の一番の戦利品だ
ローにとって金はおまけかもしれない
元金の何倍もの収穫があろうとも
満足そうなローの隣で今回の戦利品をテーブルに置いていく
金目のものはもう倉庫に運び、ペンギンが管理している
「タヌキ」
『ん?い゛ッ!?』
名前を呼ばれて振り返ると急な痛みに襲われ驚いた
そこにはカジノの会場で見たピアスが左耳にハマっていた
ローの左耳を見れば揃いのピアスがハマっている
これは確か会場に飾られていたはずのブラックダイヤモンドで出来たピアスだ
いつの間に…ローの手癖は悪い
「似合うな、俺の見立て通りだ」
満足そうにピアスに唇を落としたローに、タヌキは文句を飲み込んだ
ピアス開けるならひと言くらい言ってよ
タヌキの尻尾が不機嫌に揺れる頃、甲板では宴の準備が始まっていた
テキパキと準備する中、【速報】と書かれた届いたばかりの新聞にクルーたちの手が止まる
「おっ!早速か!!」
「うひゃー、流石キャプテン!!」
「こりゃ、いいように書かれてるな
これじゃあ俺たち、大悪党だ」
「まあ、俺たち海賊だし当たってるんじゃないか?」
「お前のことなんて一言も書いてないだろ」
「まっ、今回は裏方だったし…」
「綺麗なお姉さんに鼻血垂らして倒れてただけじゃない」
「おら、準備はすんだのか野郎ども!!」
両手いっぱいに料理を抱えたラッコが甲板へと出て来た
その種類は多岐にわたり、ラッコの気合の入りようが見てかがえる
「うひゃーうまそーなチェリーパイ!!
お前気合い入れたな!!」
「当たり前だ!
伝説のサクランボなんだ!コレに気合入れず、いつ入れるって言うだ!」
「タヌキのリクエストに手を抜いたお前を見たことがないけどな」
「なんだ騒がしいな
もう始まってんのか?」
甲板に出てきたローとタヌキにベポがグラスを渡す
「キャプテン!タヌキ!もう準備終わったよ!」
「あぁ」
『チェリーパイ!おいしそう!!』
タヌキリクエストの“サクーラダイ型のチェリーパイ”だ
タヌキに力作のチェリーパイを褒められラッコも満足げだ
全員がグラスを持ち宴が始まる
「じゃあ、キャプテンの億越えに!!」
「かんぱーーーい!!!!」