羽衣さん、春島【晩春】
チェンジ
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「吐怒露喜(とどろき)!!!」
『っ!!』
トドの姿になった赤の女王のパンチでタヌキは持っていた鉄扇を弾き飛ばされてしまった
力と体力が化け物だ
休むことなく攻撃をしてくる赤の女王
スピードはまさるタヌキだが、その1発1発は重く当たれば大きなダメージは逃れられない
どうしたものかと考えあぐねていると
「タヌキ!」
セイウチ親分の治療をしていたはずのローが大きくタヌキを呼んだ
治療が終わったのかとローを見ると、ローは強くタヌキを見ていた
「鬼纏えるか!!」
『!!』
黄泉の国以来、【鬼纏い】をやったこともないし、ローの口から聞いたこともない
目の前のローは、覚悟を持ち腹をくくりなにかを決意したように見えた
「俺にはやらなきゃいけねぇ事がある!
この勝負、100%勝つかはわからねぇ
それでも俺を信じてくれるか?」
そんなこと言われて断る理由などタヌキにはなかった
「よそ見ィしてんじゃないわよ!!」
『私はローを疑ったことなんてない…あのときから私の全てはローに賭けたから!』
ハートの海賊団にオールインだ
赤の女王のパンチは当たらず、叫ぶように答えたタヌキの姿はその場から煙のように消えた
そして、ローの姿が変わった
あの日のように黒い羽衣を纏った姿は美しく圧倒すらされる
その姿を見たセイウチ親分も赤の女王も、状況を忘れて魅入っていた
「こいつぁ…綺麗だ」
鬼纏い中は身体が軽く全てがゆっくりに見える
何より背中にいるタヌキを感じられる
暖かく闘いの最中だと言うのに身体の力は抜けていた
“ロー”
頭に直接響いてくるようなタヌキの声はどこか安心感がある
“ローの背中は私が守るから…ローは前だけ見て”
急に鬼纏いをやると言ったローになにも聞かず、タヌキはそれだけ言うと後はなにも喋らなかった
タヌキはローの過去を聞かない
昨日の船の中での出来事をローは思い出した
しかしローの頭の中のコラさんは、いくら問いかけても笑うばかりで答えてはくれなかった
「amputate…」
「ぁあああああ!!!!」