羽衣さん、春島【晩春】
チェンジ
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ことの始まりは、12年くらい前…“ジョーカー”に会ってからだ
はじめは怪しいと思ったが、多額の金や人脈をくれた
このカジノを大きくしたのも、それを隠すために観光を栄えさせたのも紛れもないジョーカーだ
俺はそんなつもりはなかった
街の隅でトド姐さんやアデリー隊長たちとこの島のサクラが見られればよかった
ただ…金が入ってトド姐さんが綺麗になっていくが嬉しくて、甘んじてジョーカーの援助を受け入れていたんだ
そしてある時、奴は“悪魔の実”を持ってきた
恥ずかしながらこの島から出たこともない俺は“悪魔の実”なんて知らなくてね
力が欲しいか
そう聞かれて頷いてしまった
その時から彼女はおかしくなった
どんどんジョーカーに酔心するようになって力を欲して、金を欲して
まるで奴に糸で操られる操り人形のようだ
用済みになった俺たちはジョーカーに切られたと気づいた時にはもう遅かった
アイツは俺たちの姿かたちだけじゃねぇ…心も全てを変えてしまったんだ
「ジョーカーが俺の愛する人を変えてしまった
だから、俺は彼女を元に戻さなッグゥッ…!!」
「…そうか」
俺も…コラさんがいなければ、奴の言うことを聞く駒にされ都合のいい“家族”になっていたかもしれない
傷だらけで倒れるセイウチ親分の姿は、コラさんに出会えなかったもしもの世界の自分の姿に見えた
「確かにお前はジョーカーに狂わされた
だが…お前は失ってない…故郷も仲間も大切な人もまだ救える」
だから、お前がジョーカーなんかにこれ以上関わるな
「アイツは俺がやる!」
「小僧ゥ、お前一体なにが…ッグゥ」
「そこで大人しくしてな、セイウチ親分」
「けっけどよゥ」
「問題ねぇって言ってんだ」