羽衣さん、出逢う
チェンジ
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すごい…金に糸目をつけないとこうなるんだ…
タヌキは思わず息を漏らした
“屋敷全て悪者に荒らされちゃったよ〜”セットで屋敷全部リフォームしてしまったのだから
「じゃあ、貴女はこの衣装を着てここへ」
よくある悪役の黒いマントを渡され指定された場所へ
騒がれると面倒なので尻尾はだいぶ前にしまった
お姫様は、その横の檻の中へ自ら入る
そこはクッションも敷かれ居心地は良さそうだ
住民たちの手によって配管工の息子が助けに来るというシナリオだ
何百年も悪者やってるタヌキからすれば簡単な仕事だ
そんな様子のタヌキにお姫様も大満足のよう
その時、バタンと扉が開いた
漫画とかゲームで見たことあるある!
正義のヒーロー登場ね
とタヌキのセリフがスタートする
『フハハ、この小娘を助けにきたのか!』
「ちげぇ」
えっ…?
えっ?…えっ?
なんて??
今の私の恥ずかしい悪役っぽいセリフ聞いてた?
タヌキは動揺した
「ここにある“宝”をよこせ
話はそれから聞いてやらんでもない」
入ってきたのは、モコモコのふちなしの帽子に不健康そうな肌と眼の下の隈
スラリとした身のこなしに、整った顔立ち
ニヤリと持ち上げられた唇
両手に刻まれたたくさんのタトゥー
どこが配管工の息子!?
いやぁぁぁあ
悪役ぅううう
この人めっちゃ悪役ぅううう
あまりにも話と違いに、羽衣狐だった頃の威厳も忘れ驚くタヌキ
お姫様の方を見るとタヌキと同じように震えていた
そりゃそうだ、恋い焦がれている配管工の息子が来るはずが極悪人よろしくな顔の人が入ってきたのだから
「俺たちは海賊だ
欲しいもんはなんでも頂く」
海賊!!
やっぱり!!
すごく納得!!
でも、なんでここに海賊?
「room…」
『っ!!』
「mes」
急にドームの様なものに包まれたかと思うと
胸元に違和感を感じ、すぐさま体を横にひねる
が、わずかに間に合わずそのナニカを受けてしまった
「ほう…反応はまずまずだが受けちまったら意味ねぇな」
そう吐いた極悪人の手には心臓…?
そして、先程違和感を感じたところは四角く切り取られていた
どくんっどくんっとなり動くソレ
それもしかして私の心臓!?
ここの世界ってこういうのが普通なの?
妖怪でもそんなことするやつみたことがない
兎に角、アレ取り戻さないと
ごめん、お姫様
貴女の願いは少しおいておくわ
はあ、まさかこんなところで戦うことになるなんて
新しい世界はひどく突然だ