羽衣さん、気遣
チェンジ
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『ロー…?』
ドアの外から声をかけるが返事がない
少しだけ開けたドアから顔を出すとベッドに倒れ込んでいるローが見えた
ベッドの淵に腰掛け、また声をかけた
『何か飲む?』
「…いや、いい」
『………』
珍しいローの姿にタヌキもどうしたらいいかと戸惑った
しばらく1人の方がいいだろうと短い柔らかいローの頭をひと撫でして腰を上げた
しかし、タヌキの右手をローが掴みタヌキはまたベットに戻されてしまう
「しばらくそこにいろ」
命令のような…タヌキにはすがるような願いに聞こえた
やっぱり珍しい
冬島のときもこんな風に不安定だったが
あの秋島に冬島の時と関係あるものがあるのか、タヌキにはわからなかった
ん…と短く返事をし、タヌキは黙ってローの横にいることにした
部屋全体がごおっと動き出航を知らせる
しばらくして沈黙を破ったのはローだった
「聞かないのか?」
『聞いて欲しい?』
聞いてから馬鹿な質問をしたとローは後悔した
タヌキが自分に対してそんなことしたことなかった
タヌキは一歩踏み込まない
常にローの3歩後ろにいる様な
背中を預け、よろめいた時支えてくれる様な安心感があるとともに、きちんと振り返って確認しないといなくなってしまいそうな時もある
『…いつか、ローが話したくなったら聞いてあげる
いつか私が話したときのように』
黄泉の国で助けてもらった事、心底感謝していた
そして今度は自分が恩返しする番だと
狐の恩返しなんて、タヌキは自分で少し笑ってしまった
「………」
そんなタヌキの優しさにローの心臓が痛んだ
俺は弱い…
このまま“アイツ”に挑んでも犬死にだ
俺はどうしたらいいんだ
教えてくれよ…コラさん
タヌキの手を握ったローの力が強くなった