羽衣さん、気遣
チェンジ
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「出航だ」
船に戻るや否やそう一言ペンギンに言うとそのままバタンと乱暴に扉を閉めると自室へ戻った
「船長、なにかあったか?」
『姫の手術で疲れたみたい』
「…本当にそれだけか?」
『あと、側近の奴と合わなくてイライラしてた』
「いやそれが原因だろ」
タヌキは色が抜け落ちてしまった白い町をみて、ローの機嫌が悪くなったことは言わなかったし聞かなかった
何事もなかったかの様にペンギンに振る舞う
いっしょに帰ってきたタヌキがいつも通り話す様子にペンギンも少し安心したようだ
「あと…任せていいか?」
『いつものことでしょ?』
「助かる」
ローの精神的な安定という名のご機嫌取りをタヌキに頼っている部分は大きい
こればかりはどう頑張っても話そうともしてくれなかった
もちろん言ってほしいとも思うが、無理に話して欲しいとも思わないというのがペンギンの本音だった
出会った時の不安定さも、年をとるごとになくなっていった
いや…隠すのが上手くなっていった
大人になったと言われればそうだが、ペンギンは心のどこかで引っかかっていた
しかし…それもいつしかなくなっていった
タヌキが船長の隣にいることが当たり前になったのはいつからだろうか
タヌキが船長の隣にいないと違和感を覚えるようになったのはいつからだろうか
タヌキがいてくれて良かった
そんなことを思いながらペンギンはタヌキの頭を撫でた
『子ども扱いしないで』
本人は気に入らないのか、尻尾で叩かれてしまった