羽衣さん、出逢う
チェンジ
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昼間のうちに補充を終えたハートの海賊団は、聞き込みで手に入れたこの島唯一だという酒場に来ていた
こじんまりとしているが、小さい町だこんなものだろう
酒場に着くと、カウンターのど真ん中にシクシクとうなだれている赤い帽子を被りヒゲを携えた男とそれを励ます男たちがいた
先頭に立っていたローが声をかけた
「おい、やっているか?」
「あっあぁ…好きなところにかけてくれ」
ローが店の中央の大きめのソファに腰掛ければ、それに倣ってクルーたちも好きなところに腰掛ける
カウンター中の緑の帽子を被った長身のオーナーらしき男が渋々な顔を隠しもせずオーダーを取りにきた
しかし、カウンターの男があまりにもオイオイと泣くもんだから堪りかねたシャチが尋ねた
「おい、あいつはどうしちまったんだよ
これじゃあ、酒も美味しく飲めねーよ」
「それが…こいつの想い人が攫われちまったんだ」
「…あぁ」
なんとも良くある話だ
こんなことに首を出していたら、偉大なる航海やひとつなぎの財宝を手に入れるなんて何百年もの先の話になってしまう
男には悪いが、首を突っ込むことは避けることにした
「この町一のご令嬢でさ…さっさと助けに行けと言っているんだが」
「…ご令嬢?」
その言葉にいち早く反応したのはローだった
「あぁ…あんたらよそ者かい?
ここいらじゃ有名さ、宝石掘って当てたマッシュルーム家っていう」
「その話…詳しく聞かせろ」
金欠の海賊団に降って湧いた話に喰いつかないはずもなく
なんでも、この島で1番のご令嬢が拐われたらしく
なんでも、カウンターで泣いている男がそのご令嬢を幼い頃から好きならしく
なんでも、助けに行くよう急かしているらしい
全く興味のない話だ
「なるほど…」
興味のあるのはただ一つ
「てめぇがいかねぇなら俺たちがいく」
お宝は俺たちのもんだ
ハートの海賊団が一つになった瞬間だった