幸せ
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「タヌキ!!!!!!」
大音声で私の名を呼ぶ
どれくらい走ったのだろうか、大きく肩が揺れている
『グラハム!!!!!!』
負けないくらい大声で名前をよんで勢いよくグラハムに抱きついてきた
いつも彼が私にやってくれるみたいに
『グラハムッグラハムッ』
震える声を気にせずただただグラハムをよんだ
みんなもホッとしているようだ
「タヌキ!!!!」
『∑、はい!?』
耳元で叫ぶのでびっくりした
さっきの感動はどこへやらソワソワしはじめた
「大切な…大切な話をしよう
お前のためだけの話だ」
いつもの口調なのに、ゆたりとしたテンポだった
「出会った時タヌキは今にも泣きそうだった
それを見た時!俺は胸が熱くなった
あぁあああぁ、今思えばこの時にはもうわかっていたのかもしれない
しかし、俺は気づこうとしなかった!!
これはもはや悲劇!いや、喜劇か?
だったらなんて笑えない喜劇なんだぁああぁ」
それも初めだけだったらしく、すぐに支離滅裂な話になった
「タヌキが消える
これは悲しい…悲しい話だ
胸が張り裂けそうだ
でもタヌキ、お前が嘘をつかずちゃんと話しをしてくれた
絶対に信じないであろうといったその話を自分の言葉で
それはとても…とてつもない嬉しい話だ
だから俺は信じよと思う
ぁあ、これもまた胸が張り裂けそうな話しだ
俺は未熟だ、ラッドの兄貴にも到底及ばない男だ
でも俺はお前に答えたい…俺と全力で向き合ってくれたお前に」
その時、彼の話が止まった
『グラハム…?』
「っタヌキ!結婚しよう!!」
耳まで真っ赤に染めて言うグラハムに驚きのあまり口が大きく開いているシャフトたちに
私が返す言葉はひとつしかない
『はい、よろこんで』
私がそう答えるとグラハムはパァッと笑い抱きついてきた
『グッグラハム…ちょっと苦しいかな』
「よかった、ほんとよかった!!」
相当嬉しいらしいので少しなら我慢してもいいかなと思った
私に全力で答えてくれた彼に
しかし、それがいけなかった
『…んっ、ちょっグラハムっんぁ』
急に降りかかる濃厚過ぎるキス
混乱して、みんなが私達を温かい目でみているなんてきづかなかった
「すまない探してたらこんな時間になった
タヌキ、受け取ってくれるか?」
青い青い指輪があった
答える代わりに、左手の薬指をさしだした
グラハムがはめてくれる
グラハムの指輪は私がはめた
でも、その幸せはもうオワル
指輪をつけた指が手が腕が…消えていく
涙が溢れて止まらなくなった
やだ、やだよ
こんなに幸せなのに
やだ、やだよ
グラハムと離れたくない
「タヌキ、よく聞け」
『グラハム?』
私の両頬に手を添え、グイッとグラハムと顔を近づかされる
「絶対に俺がむかえにいってやるから、それまで待っとけ!
どんだけ嫌がっても嫌われても疎まれても嫌悪をされても!!!
連れかえしてやる!!だから、心して待っとけ!!!」
『うん!!』
待ってる!
もうほとんど消えてしまった体でグラハムに抱きつき、キスをした
消え入るまで
さっきよりも短ったけど、すごく幸せだった
遅かったら、こっちから会いに行っちゃうからね
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