幸せ
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グラハムはあっという間に敵を蹴散らした
ボコボコになったこの人達を助けるほど私は人ができてない
むしろ、グラハムに縄を解いてもらった私はグラハムといっしょにボコボコにしてやった!!
女の恨みは恐ろしいんだから!
「タヌキ!無事でよかった!
すまない…怖い思いをさせてしまった…」
『ううん、グラハムが来るってわかってたからそんなにコワくなかったよ』
私の言葉にいつもは半分しか空いてないグラハムの目が開かれた
これは嘘じゃない
ほんとにわかってたんだ、グラハムが来ること
女の勘ってやつ?
コッチに来て私は知らず知らずに染まってしまったのだ
私はもう普通の人には戻れない
あっ、もちろんいい意味で
昨日まであんなに悩んでたのに
やっぱり、グラハムってすごいや
『……あのね私…グラハムに言わなくちゃいけないことがあるの』
おかしいな…さっきよりも手が震えてるや
やっと決意したのに
言わなきゃ…言わなきゃいけないんだ
いつまでも黙ったままだと駄目なんだからっ
グラハムに秘密にしてること
この世界の人じゃないことも
『グラハム…あのね…わたしっ』
ギュッ
『っ…グラハム?』
「言うな」
『えっ』
「今タヌキが言おうとしたこと言うな」
『……そんな…どうして?』
だって私…せっかく覚悟を決めたのに
「タヌキはすぐ無理する
すぐ背伸びしようとする急ごうとする
それがいやだ!!」
ドーンと効果音がつきそうなくらい言い切るグラハム
「それに」
『それに?』
「まだ俺はそこまでじゃない」
『っそんなことないよ!だってグラハムはっ』
「いや、そうなんだ
だから…」
両肩を捕まれ、グラハムを目を合わせられる
いつも上に隠れてしまっている目がしっかり見える
「きっといつか俺がラッドの兄貴にも負けない男になってタヌキが誇れる野郎になった時、タヌキが苦しまず言えるようになった時でいい
そうしないと、俺がタヌキを受け止めれない
そうなれば俺は一生後悔し!ダメな野郎に成り下がる自信がある!!」
ぁあ、なんて私は駄目なんだろう
いっつも自分ばっかりで相手のことなんて考えてなかった
でもこれで私は少し成長できたかな
「でも、俺はお前にこれだけは伝えなければならん!」
『……うん』
「タヌキ好きだ!!」
『うん、私も大好きっ//』
今すべてを伝えることが幸せなんじゃない
まだ未熟な私…それを自覚することが大事
私のことを伝えたらきっとグラハムは全力で答えてくれる
それが二人の最善のコタエのはずだから
それが私の幸せになるから
だからね
『グラハムが困ったら私が全力で助けてあげるね』
そうすればグラハムも幸せになれるでしょ
「本当かそれは!タヌキのすべてが俺に向けられるということかそれは!!
それじゃ、早速困らねばなるまい」
『…それはちょっと』
また涙が溢れてきた
最近の私は泣いてばかりだ
でもそれも今日が最後
こんなにも苦しくて嬉しいことは今後そう無いだろうから
そんな日が来るならそれは…それはきっと…