幸せ
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季節はめぐってとかよくいうけど、もう夏といってもいいほど最近暑い日が続く
ちらりとカレンダーを見れば7月
七夕の季節が近づいてるなぁ
懐かしき故郷日本の伝統行事なわけだけど、ここはアメリカ
そんな文化知っている人なんていないわけで…
ドサッ
『∑!?ファナさん、そっそれはっ』
「笹だよ!この前タヌキちゃんが話してくれただろ?
織姫様と彦星様の話
私と死んだ夫との出会いにそっくりでねぇ
人事だとは思えなくって…
祝うよっ!
ちょっとした祭りみたいで楽しいしねっ、お客さんも喜んでくれるさ」
満面の笑みでいうファナさん
そういえばファナに日本のことを話していて、そんな話もしたかも…
私もファナさんを手伝う
「こんなもんかい?」
『はい!とっても立派ですよ』
ファナさんの本気を見た気がした
アメリカクオリティー半端じゃない!
日本で見る奴より立派なんですけど!!
「タヌキちゃんも誰かお友達を連れて来たらいいわ」
『友達…』
「ボーイフレンドでも構わないけどね!」
『~~~///っお店開けますよ!お客さんが待ってるんですから!!』
何度もからかってくるファナさんにまだなれない
私が行くところなんて決まってるからいってくるんだろうけど…
日が傾き、お店が一段落した
お客さんがほとんどいなくなった
グラハムたちを誘うなら、お客さんが居ないほうがいいからね!
普通の人だったらビビるよね、青いツナギにおっきいレンチ持ってたら
そう考えると私って普通の人じゃないのかも
「タヌキさん、こんな遅くにどうしたんですか?
もう夕方ですよ」
『今日はちょっとしたイベントに誘おうと思ってきたんです』
「イベント?」
『はい、七夕っていうんですけど』
「「「「「たなばた?」」」」
ぽかんとした顔でカタコトいったシャフトさんたちの顔が面白くて笑ってしまった
七夕の説明をするとみなさん意外と興味津々に聞いていた
興味すらもって貰えないかと思ったけど、みなさん意外とノリがいい
七夕の説明をして、あることに気がつく
『ところでグラハムは…?』
一番喜んでくれそうなグラハムが見当たらない
「グラハムさんならもうすぐ会えるから大丈夫ですよ」
『?』
大丈夫ですからと私にいうシャフトさん
シャフトさんが言うなら…
大丈夫、なのかな
そう思って、シャフトさんたちを笹のあるお店へ案内した
『あっグラハム』
「っ、タヌキ!!!!!!」
シャフトさんたちを連れて帰ってくるとグラハムがいた
なぜここに?
「なぜ、シャフトたちがいるんだ?」
『私が誘ったの』
「タヌキが?」
『うん、グラハムも誘おうとしたけどいなかったから』
「!!!!ノオオオオオオ
なんてことだ!なんという悲しい話!!
タヌキが俺に会いに来てくれたというのに!
俺は!!俺は!!!」
『うん、だからね
グラハムもやろうよ、七夕』
「たなばた?」
ぽかんとした顔でカタコトいったグラハムの顔が面白くて笑ってしまった
七夕の説明をすると興味津々に聞いていて
「悲しい…これもまた哀しい話だ…
愛しあう二人が一年に一会しか会えないなんて
不条理だ!愛がこんなに残酷でいいのか!?いや良くない!良くない良くない良くない良くない」
『でも、今日は会える日なんだから喜ばなきゃ
楽しい話にしてあげなきゃ織姫様も彦星様も悲しんじゃうよ』
「!!そうか!それもそうか!
これは楽しい話だ!楽しすぎる話だ!
それじゃあ、喜ばなきゃな
心のそこからお祝いといこうじゃないか!」
そういうグラハムに短冊を渡し、これに願いを書くことをつげる
大体のやり方は言ってある
グラハムはシャフトさんたちの方を見る
シャフトさんたちがすっごく真剣に願いを書いている
それを見て、グラハムも願いを書き始めた
よかった喜んでもらえて
ちらりと見るとシャフトさんの短冊を見ると”グラハムさんが大人しくなれ!!”とかいてある
別の人のを見ても”グラハム去って平和来たれ””グラハムさんのレンチ壊れろ!”
……なんというか、頑張ってくださいとしか言えないよ
『グラハム、なにもそんな高いとこに付けくても』
「高いとこのほうが叶う気がする!」
『なにそれ』
グラハムを見ると、笹の一番上に短冊をつけている
一生懸命つけてる姿に思わず笑ってしまった
『あぁもう、高すぎてグラハムの願い見れないじゃん』
「ほら、タヌキもかけよ」
『私はもう書きました』
「なに!?じゃあタヌキの願いはどこだ!」
『ちょっと探さないでよ!恥ずかしいよ』
私のを探そうとするが、シャフトさんたちによってもうたくさんの短冊が吊るされているので簡単には見つからない
いや、絶対に見つからない
だって
本当は書いてないから
誰にも言えないよ、私の願いは…