幸せ
change name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「~♪」
『………』
「~♪♪」
『……………』
また来たんですか…
『邪魔なんですけど…』
「ぁあ、なんだタヌキいたの」
『ずっといました!
はぁ、私これから配達しなきゃいけないんでどいてくれますか』
「一人でかい?」
『他にいるように見えますか?』
「いないんだから見えないに決まってるじゃないか
君バカ?」
からかってる訳じゃなく本気で言ってるわ
だって、目がマジだもん…
なんか逆に怖いよ
はぁ、クリストファーはもういいや!
配達が優先第一だよ!
クリストファーにかまってる時間はないのっ
お店のなかに入り花を持ってくる
うっ、意外と大きいし重いなっ
『よっこいしょっ∑!?』
「タヌキはちっちゃいからね
こんな大きな花抱えたらコケちゃうだろ?
そんなの花が可哀想だ
僕が持つよ」
『クリストファー、いつの間に店の中に』
「ほら、いくよ」
『えっ、あっ、ちょっとっ』
私が両手でようやく抱えていた立派な花を左手で軽々と持ち、あいた右手で私の左手を掴んで引っ張った
握っているというより掴まられているのでとくことができない
クリストファーちから強っ
…なんていうか
『ホントに自然大好きなんだね…』
「なんで?そんなことタヌキに話した覚えはないけど…」
『見てればわかるよ
自然愛してますオーラが出てるしね』
「アァ…自然は素晴らしいからね
自然は自然のままだからこそ美しいんだ』
そして、流れるように自然について語り出された
グラハムとは違った新鮮さがあって私はずっと聞いてしまった
人の話を聞くのが好きなのかな
途中に歌った歌はお世辞にもうまいものじゃなかったけど…
クリスの話を聞いてるうちに、あっという間にお届け先に着いた
花も無事届け終わった
『ほんとありがとっ』
「!!タヌキがお礼を言うなんて明日は雨かな」
『失礼なっ!礼儀くらい私にもわかるよっ!』
そんな話をしながら、今だ握られている左手を見る
もう離してもいいんじゃないかな
私の視線に気がついたのか、クリストファーは手をほどいてくれた
ちゃんと思いやりはあるのね
『ねぇクリストファー…』
「ん?なんだい?」
『なんていうか…クリストファーも男だったんだね』
「なにそれ、僕がオカマみたいじゃないか」
何いってんのコイツみたいな顔をするクリストファー
だって、握ったクリストファーの手が大きくて男の人の手だったから
とは、言えない…
気まずくて少しうつむいてみたものの、クリスも男だってあたり前のことに気づいたらおかしくなって笑ってしまった
私が笑ってたら、なぜかクリストファーも笑っていた
出会いこそあんまりよくなかったけど、クリストファーともなかなか仲良く慣れた気がした
『じゃぁまたね、クリストファー』
「また…ね、タヌキ」
ほんとみんないい人すぎる