幸せ
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『6月かぁ、もうすぐ一ヶ月たつのか』
ペリペリっとカレンダーをめくった
長かったような短かったような…
グラハムやシャフトさんやファナさん…あとクリス
なんかいっつも振り回されてる気がするな…
キー兄やベル兄、ラック兄、フィーロやみんなはどうしてるかな…
コッチに来てからもうだいぶ経つけど、お母さんやお父さんや友達はどうなってるんだろう
心配…してるかなぁ
「あら、もうそんなに立つのね
タヌキちゃん、とってもよく働くから助かるわ」
私のつぶやきにファナさんがこたえてくれた
ファナさんにはここ一ヶ月お世話になりぱなしだ
お礼をしようしても、いつもいらないといわれてる
でもいつか絶対お礼するんだ!
ファナさんはいろんな話をしてくれる
ファナさんがいたから、色んな心配事が解決している
『へ~、ファナさんの息子さんNYに行っちゃったんですか』
「えぇ、俺は絶対大成功を収めて金持ちになって母ちゃんを楽させてやるんだって」
『親孝行のいい息子さんですね』
「そうなんだけどね…親元から離れて遠くに行ってしまうのはとっても悲しいわよ」
『…そうなんですか』
「タヌキちゃんも子供ができたらわかるわ」
『ははっ、子供かぁ…いつの事になるのやら』
ファナさんはよく息子さんの話をする
すごく嬉しそうに、そしてすこし寂しそうに
私も子供ができたらそう思うのかなぁ
…いつになるかわからないけどね
「隠さなくていいのよ!私、知ってるんだから!!」
『へっ!?』
なにをですか?
「あの金髪の青いツナギをきたカッコイイ人でしょっ
それとも、あの帽子をかぶってる人かい?」
『∑!?、ちっちがいますよ!!
グラハムやシャフトさんはっ』
「はいはい、彼氏ができたら教えてちょうだいね
私的にはあの金髪の彼がいいわ!」
『かっからかわないでください///』
まだまだ若いファナさん
私に早く彼氏を紹介してといってくる
いないって何回も言ってるのにっ
「…あのね、タヌキちゃん」
『なんですか?』
いきなりかしこまったファナさん
フウと一呼吸おいて、ファナさんは話しだした
「寂しい時は泣いていいのよ」
『えっ…』
「まだ会って一ヶ月かもしれないけど、それでも私はあなたを愛娘よ」
どこまでも優しくやわらかい声
「夜寂しい時は独りで泣かないで欲しいし、嬉しいことは話してほしいわ」
『ファナさん…』
「ごめんなさい、我儘だったわね」
そう言って笑ったファナさんに胸が痛くなった
でもそれと同時に、息子さんのことを話すときくらい悲しそうな笑顔に、本当にファナさんは私のことを思ってくれてるんだと嬉しくなった
『私が泣き始めたら話しだしたら止まらなくなるし…それでもいいですか?』
「!!、もちろんよっ!」
さっきとは違って太陽のように笑ったファナさんはとても綺麗だった
そして私は思わずファナさんの胸に飛び込んだ
ファナさんの香りはとっても落ち着いて、気づいたら涙が出てきた
「泣きなさい、私はいつまでもここにいるわ」
ファナさんのおかげで少し不安や苦しみと向き合えた
どこまでも優しいファナさんが大好きだと改めて思った