幸せ
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『雨降ってきちゃった…』
ファナさんに今日くらい休みなっ!と言われ、散歩に出たはいいけど見事に雨にフラレてしまった
傘もないし…
『早くやまないかなぁ』
雨宿りするも、一向に止む気配はない
これは走って帰るしかないのかな…
濡れるのやだなぁ
ズシッ
いきなり背中に重みを感じた
何事!?
「タヌキじゃないか!
これはすごい!タヌキに会いに出かけたら、もう会ってしまったぞ!」
『グッグラハム…』
神出鬼没はやめていただきたいです
のしかかって来たのはグラハムだった
ちょっ、重い
シャフトさん助けて…
「タヌキはこんな所でなにしてるんだ?
もしかして俺に会いに来てくれたのか!?
なんだそれ、嬉しいすぎるぞ!
うおおぉぉぉおおお、今俺は猛烈に感激した
なにこれ、体がウズウズしてきた!!!」
叫びながら道路に止まってあった車を解体し始めた
グラハムにとって濡れてしまうなんて関係ないのか
まぁここは彼が満足するまで待つのが先決だろう
グラハムの感情の起伏が激しいのは今に始まったことじゃないので99%受け流していいとのシャフトさん情報により私はそれを実行中だ
それでも、顔は真っ赤になっちゃうけどね//
恥ずかしいことを平気で言っちゃうから
さすがアメリカ人って感じ?
クレアお兄ちゃんもそうだし
全然慣れないよ!!
ラッドの兄貴にもこのテンションだし妹分的な感じなのかな…きっと
グラハムは普通の人とちゃんと話もできないらしいし…
まぁ、私は普通に話せてるから
シャフトさんの私の見る目はもう完全にラック兄と同じだ
グラハムもその内フィーロと同じになってしまうのかな…
……それは嫌だなぁ
いやっ//変な意味じゃなくてっ
コレ以上、おかんみたいな人が増えると困るってことで…別にグラハムだからどうとかじゃなくt
「タヌキ!タヌキ!!タヌキ!!!」
気づけば真ん前にグラハムの顔があった
うおっ、いつの間に…
「ほら、行くぞ!」
『えっ?えっ!?』
どこに!?
状況が理解できないままグラハムに手を掴まれて、雨の中を進む
グラハム、足はやっ
『……そうこ?』
連れてこられたのは倉庫だった
もしかしなくても、グラハムたちがたむろしている倉庫だ!!
えっ、嘘っマジで!?
蜂の巣に引き続き、感無量だ
「雨が止むまでここにいるといい」
そう言いながら、手をつながれたまま倉庫の奥へとつれられる
その時、倉庫にいるみなさんに目を見開いて驚かれてしまった
一応、軽く会釈をしておいた
「あれ?グラハムさん早いっすね、もう帰ってきたんですか?
あっ、もしかしてタヌキさんにフラレっガハッ」
「滅多なこと言ってんじゃねーぞ!!
シャフトのくせに生意気な」
『…シャフトさん?』
聞いたことのある声に、グラハムからひょこりと顔を出すとシャフトさん(と思われる人物)が床に突っ伏していた
話しかけても反応がない…ただの屍のようd
「タヌキ、これつかえ」
『ありがとう』
シャフトさんの存在を一切無視してしまったグラハムからタオルを受け取る
おお、ふかふかタオル
「タヌキ、こっちだ」
奥の方に座らせられた
みなさんに紹介とかしなくていいのかな
知らない人いっぱいいるんだけど
あと、シャフトさんも助けないと
『グラハム…他の人n』
「さぁ、くつろいでいくといい
タヌキが気を使うことなんて1つもないぞ!!」
いや、でも…
ちらりとシャフトさんの方を見ると
気にしないでください
と死んだ目で訴えかけられた
『グラハムたちはいつもここに?』
「ああ、ここが俺たちの縄張りだからな
そうだ!タヌキには話してなかったな、素晴らしいラッドの兄貴の話を!!
それはもう楽しくて楽しくて仕方がない話しなんだ!!!」
今まで見たこともないような嬉しそうな顔で話すもんだから、またついつい聞いてしまった
しょうがないよ、だって楽しいんだから
「タヌキさん、そろそろ帰らなくても大丈夫ですか?」
どのくらいグラハムの話を聞いただろうか
シャフトさんに声をかけられて、外を見るともう真っ暗だった
楽しくて時間のこと考えてなかった…
『ぇえ!?もうそんな時間ですか!
すいません長居しちゃって』
「タヌキ、もう帰るのか!?帰ってしまうのかぁああ」
まるでこの世の終わりかのような顔をする
そんなグラハムにクスリと笑いが出てしまった
レンチをガンガンとドラム缶を殴っている
さっそく、ドラム缶かさえもわからない物体Xになっているけど
『また明日も会えるよ』
「ほんとうか?」
『もちろん!』
っていうか、ほぼ毎日会ってるんだけどね
グラハムの暴走が止まったことで、周りのみなさんが一息ついたのが分かった
「そうだ!俺がタヌキを送っていけばいい!!」
名案とばかりに叫んだ声は倉庫中に響いた
「なんていい考えなんだ
もしかして俺は天才なんじゃないか?今世紀最大の天才なんじゃないか!
タヌキが危険な目にあったら大変だからな」
「むしろアンタが一番あぶねーよ」
「ん?なんか言ったか?シャフト」
「いえなにもありません」
結局、グラハムに送ってもらうことになった
これで私の安全は確保された!
でも、ものすごく心配そうな目でシャフトさんたちに見られるの
「タヌキ、行くぞー」
『うん…みなさん今日はありがとうございました』
皆さんの方へ一言挨拶をして倉庫を出た
真っ暗になったシカゴはものすごく怖かった
今までこんな時間に町中を歩いたことがないし
安全国、日本で育ったチキンの私には下手なお化け屋敷より怖いぞ!
「~~♪」
…グラハムはめっちゃ上機嫌だね
つながれた右手に安心感を感じ、つい握り返してしまった私は悪くない