幸せ
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なんか疲れた…
恐るべしガンドール…
ハァとため息をついて、チックからコーヒーをもらう
癒しはチックだけだよ
ベルガさん…じゃなくてベル兄たちは奥の部屋へ
クレアさんはチックの鋏で遊びはじめた
テーブルに手を置き、指の間に鋏を突き刺していく
いやいやいや
私も鉛筆とかシャーペンでやったけど!
それは少しデンジャラス過ぎやしませんか
そういっている間もどんどんスピードが上がっている
さらに鋏の刃を開いたり閉じたりし始めた!
あぁもう絶対コレ人間業じゃないよ
否定しても目の前で人間が行なっていることだけど
クレアお兄ちゃんってすごいのか恐ろしいのか…
もう見ていられなくなり視線を逸らした
だって、見てるコッチが震えてくるんだもん
そして、逸らした先でチックさんがイーディスさんと話していた
あれ?イーディスさんいつの間に来たの?
イーディスさんはこのガンドールの御店に来たばかりの頃から、すごく優しくしてもらっている
何を隠そう、ガンドール・ファミリーが経営する酒場のウェイトレスで私の先輩なのだ!
メッチャクチャ優しくて綺麗な人だ
そして彼女が来たということは、新しい事件が始まっているということである
「キースさんーベルガさんーラックさんー、イーディスさんが来ましたよぉー!!」
「おや、イーディスさん
どうしたんですか?
ああ、酒場は休みにしてますけど、給金でしたら通常通りー」
「違うんです、ガンドールさん
違うんです」
何かを決意しそして何かにすがるように、イーディスさんは口を開いた
「私は、ガンドールさん達を……裏切りました」
その時、私は感じたんだ
彼女は戦っているんだって
私には想像もできないモノと精一杯戦っている
助けたい、力になりたい
けれど、コレは彼女と彼の戦いだから
邪魔しちゃいけない
理性より本能がそう感じた
原作とかそんなん関係なく
…………ヤバイ、今私少しかっこ良くなかった?
いや、フザケてるわけじゃないよ
本当にそう思ったんだから
彼女が勇気をもっていった裏切りという行為は決して許されるものではない
処分されなければいけないんだよね…
イーディスさんから聞いたボスのみなさんはイーディスさんの処遇について談義し始めた
小声だったが私の近くで話していたので、その会議は聞こえてきた
「どうするのさ」
「俺に聞くな
普通はどうするんだ?」
「シチリアとかだと殺しちゃうとか…」
「こんなんで殺すわけに行くか阿呆
もういいんじゃねーか?無罪で」
「そうすると落とし前がつかなくなるよ」
「今月の給料なしってのはどうだ」
「会社じゃないんだから」
スッと私の隣に来たチックの鋏でお手玉したクレアさんがポツリと呟いた
「前から思ってたが…
そこそこ成功してるけどよ、お前ら根本的にマフィアのボスには向かねぇって」
私は激しく同意し大きく頷いた
もちろんのことながら厳しい処罰を彼らが下すはずもなく、会議は一向に進んでいない
そうこうしているうちに、チックがイーディスさんの髪を切ってしまった
それに気づいたボスのみなさんは、じゃあ今回の罰は髪ということでと言うことになった
鋏だったため丸坊主にはならなかったが、今までの半分くらいの長さになってしまった
髪は女の命というけど、綺麗な髪だったからもったいない
「さて、じゃあ話を戻しますが――」
ラック兄の一言で再び空気が張り詰めた
そう、本題はまだ一歩も進んでいなかったのだ
完璧に蚊帳の外になっている私だが、もともとラック兄の連絡ミスでここにいるわけだから、簡単にいえば場違いなんだよね
そうすると、ここで1つ疑問が浮上してくる
「あの、実は、【葡萄酒】っていう殺し屋を探しているんです」
「…呼んだ?」
イーディスさんの言った一言に間をおいてクレアお兄ちゃんが答えたことによって物語は大きく進みだした
で、私はどうすればいいんでしょうか…