不死逢わせ
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そういえば俺は大切なことを忘れていた
俺はまだ正式に妹に、タヌキに挨拶をしていない
それはいけない
こんなに頼りになる兄をまだ見ていないなんて、心細いに違いない
なんてことをしてしまったんだ
兄として失格じゃないのか、これは…
それなら、今すぐに会いに行かなければいけないじゃないか!
まぁ、俺の心優しい妹は許してくれるだろうけどな
「目、覚めたか?おはよう」
『…ん、おはょぅござぃま…す?』
誰にも邪魔されないように貨物室に連れてきた
タヌキの肩が震えている
やっぱり心細かったんだな!
だが、もう大丈夫だ!
頼れるお兄ちゃんが来たからな!!
「そんなに怯えるな
何もしない」
柔らかい口調で安心させるように話しかける
はじめての会話で怯えさせたらダメだ
きちんと敵でないこと、頼れる味方だということ、素晴らしいお前の兄であることを伝えなければいけない!
「クレア・スタンフィールド、それが俺の名だ」
『ク…レア、さんですか…
私は…タヌキです、タヌキ・モコモコ』
「ぁあ、知ってる」
最初に名前
「おまえのことはラックたちから聞いてるから」
『…ラックさん?』
「頼まれたんだ、おまえのことを」
次に敵ではなく味方だということ
ラックという言葉に反応したということは、だいたいのことを聞いているんだろう
ってことはだ、タヌキはラックたちから俺がお兄ちゃんであることも聞いているということか…ふむ
じゃあ、やることはひとつしかないな
「俺には呼んでくれないのか?」
『はい?』
とぼけるという事は、なかなかシャイなやつなのか
それとも、初めて会う兄との接し方がわからないのか?
「遠慮するな、照れるのはわかるが
おにいちゃん、いやクレアおにいちゃんのほうがいいか?」
『…………はっ?
……なんでおにいちゃん…なんですかね?』
ぽかんとするタヌキ
なんだ…ラックから聞いてないのか
「だって、”妹”なんだろ?
妹が”兄”のことをおにいちゃんっていってなにが悪い」
『いや、私はラックさんたちの本当の妹ではなく…』
「そんなことは知っているにきまってるだろ
何年、アイツらといると思ってるんだ」
そんなコトは100も承知だ
しかし血の繋がりはというのは、あまり問題ないだろ?
と目でタヌキに訴えると、タヌキもわかってくれたようで、少し照れてどもりながらも
『ク…レア、おにぃちゃっ』
「これからよろしくな、タヌキ」
きちんと呼んでくれた
もう少しきちんと呼んで欲しかったが、まぁカワイイから良しとしよう
これが”妹”の可愛さか
ラックたちが気にかけるのもわかる
そして、これからだが…
「ん~、タヌキに怪我させたらラックに怒られるしな…」
タヌキをどうするか
俺の近くにいれば、怪我もさせないし一番安全なんだろうけど
とりあえず今は
「タヌキにちょっとここで眠ってもらうか」
『?、∑!?』
それなら、タヌキにも無理させずにすむだろうし
タヌキに手刀を落として気絶させた
だが少し弱くなってしまった
はじめてできた”妹”に俺もタジタジってところか
何度見てもカワイイから仕方ないよな