不死逢わせ
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「おっタヌキじゃね~か!
お~い、タヌキ!!」
「ホントダァ!
タヌキ!こっちこっち」
『アイザック、ミリア…』
何百年ぶりに聞いた声は、記憶のものと全く変わらないものだった
しかし、僕は気付かれる前に影に隠れた
ちらりとみた彼女はなにも変わっていなかった
変わらなすぎるその声その姿が僕にとって恐怖だった
変わりすぎた僕に、汚れてしまった僕にあってどう思うだろうか
嫌われるだろうか厭うだろうか避けるだろうか退くだろうか離れるだろうか突き放すだろうか
一言、彼女に話しかけたかった
一言、たった一言「タヌキおねぇちゃん」とよべば、この心のドロドロしたものも払拭されるというのに
僕はできないでいた
喉がカラカラに乾く、唇がかさかさして、それを舌でなめとるが全く意味が無い
彼女に話しかけてしまえば傷つけてしまう気がした
それほど、この200年という時間は僕を変えてしまった
本音で彼女に向き合えない
彼女を傷つけたくない
いや、自分が傷つきたくないんだ
ずるい、ずるいずるいずるい
彼女を…タヌキおねぇちゃんを傷つけたくないんだ
これは本当なんだ、本音なんだ
でも、なりより自分が傷つきたくないんだ
これ以上、いま以上
『チェス君…?』
隠れていた人が急に食堂室をでていってしまい、彼女と僕とのカベがなくなる
僕を見て僕の名前をよぶ
ぁあ、そんな目で僕をみないでよ
だって、僕はこんなにも汚い…
「タヌキ…おねぇちゃん」
ゆっくりゆっくり彼女に近づく
彼女は優しく抱きしめてくれた
そうだ
いつも彼女は優しく受け止めてくれた
もう少しこうしていたい
彼女なら受け止めてくれるだろうか
ねぇ、タヌキおねぇ…
「貴様ら全員、床に伏せろ!」
「てめぇら全員両手を上げろ!!」
「やいやいやい、おまえら全員動くなぁ」
それも長くは続かない