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~♪~~~♪♪
「本当にお上手なんですね」
『∑、いっいらっしゃいませっ』
開店前、早めに来てサックスの練習をしていると綺麗なお姉さんからお褒めの言葉を頂いた
お客さんにしては早すぎるし、ガンドールファミリーにこんな可憐な人はいなかった
「もっと聞かせていただけますか」
美人とはこんな人を言うんだろうなぁ
少し見惚れて、コクリと頷き吹き始める
”イカれた快楽のために”
いつ吹いてもいい曲だと思う
でも、サックスだけだと物足りない
いつもは他にも演奏者がいるが、今は私一人
~♪~♪♪
しかし、一緒にピアノの音が聞こえた
驚いてそちらを見ると先ほどの女の人がピアノを弾いていた
こちらを見てニコリと笑った
綺麗な音色だ、心地良い
『え゛ぇ!キースさんの奥さんなんですか!?』
フフフッと優雅に笑う女性はなんとキースさんの奥さんだったらしい!
どうりでピアノが上手いはずだな
それにしても綺麗な人…
「タヌキちゃんのことはキースから聞いていたわ」
『キースさんから…なんて言ってましたか?』
「ふふ、内緒っ」
くっ、美人って卑怯だ
これ以上なにも言えないじゃないか
「ねぇ、もう一曲お付き合いいただいてもよろしいかしら」
あまりにも綺麗で素敵にいうから
『はい!喜んで!』
2つ返事で頷いた
~~♪~♪
「ありがとう、たのしかったわ」
『いえこちらこそっ』
「そろそろ帰るわ」
『えっ、もう帰られるんですか?』
「勝手にきたってバレたら怒られちゃうもの」
いたずら好きの子供のように笑ったから、つい私も笑ってしまった
誰にも言わないでねといって、彼女は帰っていった
「タヌキちゃんなんかいいことあったの?」
『えっ?なんで?』
「だってそんな顔してるから」
『…ハハッ、内緒っ』
「えぇなんでー」
『なんでもだよ』
元無声映画の伴奏オルガン奏者との一時