幸せ
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あれから、荷物取りに行くからとチェス君とジャクジーとニースとわかれた
そして、一等室に着きそのソファーへと倒れこんだ
そういや一等室だったな、私
ほとんどこの部屋にいなかったからムダになっちゃた
疲れたぁ
一気に年取った気分
これがほんの数時間の出来事だから驚きだ
腕が一番ダメージ受けてるよ
あと、心も…
あぁ、このままだと寝ちゃうわ
とりあえず起き上がろう
『……よっこいしょっ…∑!?』
「おいおい、そんなあからさまに避けることないじゃないか」
『いきなり気配もなく背後に立たれたら誰だってこうなりますっ』
「そうか?俺はならないが?」
『っ、…じゃぁイイです』
なんでおられるんですか!?
いや、もういいでしょっ
物語的にも疲労感的にも【完】みたいな感じだったじゃん
『なにしに来たんですか?』
「?、用がないと”妹”に会いに来ちゃいけないのか?」
『…いけなく無いですけど』
本当の妹と兄ならねっ
「せっかく会いに来たんだが、もうすぐにでも駅につく
俺はこの列車から飛び降りないといけないんだ
だから、もうお別れなんだ」
『あっ、そうなんですか』
じゃあ、すぐにでも飛び降りていけばいいじゃないか!
なんでここよったし!
「まっ、すぐに会えるだろうし
そのときに、色々と話でもなんでもすすればいい」
『一応聞いておきますけどその根拠は?』
「俺がそう思うから」
『…納得しました』
「あっそろそろ行かないとな」
そう言いながらクレアさんはナデナデと私の頭を撫でる
あのクレアさん、あなたの手血まみれなんですけど
その手で撫でられると、私の髪が…
カミが…
かみ…が…
やっぱり言えないっ
こんなにも笑顔で髪を撫でているクレアさんに!!
いいんだいいんだ、髪は洗えば綺麗になるし
うつむき、甘んじてソレを受けとめた
「そんなに落ち込むな、すぐに会える」
『ハイソウデスネ』
どうやってもクレアさんの言いように取られるんだから、もうどうしようものない
「それじゃぁな」
どうやらクレアさんは窓からお帰りのようだ
そこ、人が出入りするとこじゃないけど
クレアさんがいったのを確認して、私はまたソファーに倒れこんだ
『おにいちゃん…か…』
あの人がおにいちゃん…
ガンドール兄弟やガンドールのみなさんも私のこと”妹”といってくれる
フィーロもラックさんたちみたいにお説教とかしてくるなぁ
なんだかんだいって、ロニーさんもお父さんみたいに世話をやくし
チェス君にはおねぇちゃんって呼ばれてるし
ラッドの兄貴もいるし…
なんだか、すごい家族構成になってきたな
窓の外の景色が建物に入ったみたいだ
あっ、駅についた
ガヤガヤと賑わう駅のホーム
人が多すぎて、ラックさんたちを見つけられない
どこだ?と探していると、ドンッと人にぶつかった
前方不注意だ
「『すっすいません!』」
『え?』
「あっ!」
『ジャクジー!』
「タヌキじゃないか!」
ジャクジー御一行と遭遇した
ジャクジーは体を引きずっていた
すんごく頑張ってたもんね
『ジャクジー、怪我大丈夫?』
「っうん、全然大丈夫だよ!ほら、このとおっイテテテッ、やっやめてよ、ニース」
「タヌキさんに嘘をつこうとするからです
タヌキさん、ジャクジーの傷はご心配なく
ジャクジーもこれくらいの怪我でなかないの」
なんかやってることと言ってることが違いますよ、アネさん…
ジャクジーもわかっていたんだろう、目があって二人共苦笑いだった
「タヌキはこれからどーするの?」
『ぁあ、お世話になってる人のところにね
なんかめっちゃ心配されてるから
もう、子供じゃないのにね」
「…その人達の気持ちがわかる気がするよ
タヌキ、危なっかしいし」
『…ジャクジーにいわれたらなんかイヤだ』
「∑、僕そんなに危なっかしくないよ!」
「十分危なっかしいわよ」
「がはは!アネさんの言う通りだぜ」
「ジャクジーも認めろよ」
『アハハハッ』
「!タヌキ、笑わくてもいいじゃないかっ」
『ゴメンゴメン』
疲れも吹っ飛ぶくらい、ジャクジーたちいるのは楽しい
最初、本当は入れ墨にちょっとビビったけどね
『じゃ!ジャクジーもニースもミンナも、またね!』
「「「「!、またね/ネ!!!」」」」
ほんとうにイイヒトたちだった
「ーー!--ー!!」
「ー!」
駅のホームに一際響く声
アイザックとミリアだ!
声の方向へ小走りで向かう
ミンナいるはずだ!!
えーっと、ここらへんじゃないかなっといたいた!
しかし、見つけた人たちへと向かう足も、すぐにとめてしまった
なぜかって?
チェス君がマイザーさんに抱きついているからだよ!!
なんて感動のシーン
邪魔なんてできないよっ
でも、ガン見してたからマイザーさんと目があってしまった
どっどうする!?
「……タヌキ、ですか?」
『!?』
なっなに--!!
知っ知り合いだとッ
ロニーさんやチェス君で、だいたい予想とかもできたけどね
私の足りない脳じゃそこまで考えられなかったわけじゃないよ!!
でも!そこは!まさかなんだよ!
『お久しぶり……です?』
たぶん…間違ってない
ゆっくりとマイザーさんたちのいる方へ向かう
いいのか!?
この雰囲気に私が入ってしまっても!
「…お久しぶりです、タヌキ」
懐かしむように、少し震えた声をマイザーさんはだした
キュッと心が痛んだ
だって、こんなにも感動の再開みたいなのに、私にとっては初対面で感動のかの字も感じてないからだ
いや、別の意味で感動してるけどね!
本物のマイザーさんだよ!
なんか…申し訳ない……
マイザーさんは心なしか震える右手で私の頭をなでた
…撫でるの流行ってんの?
撫でてるのに、まだどこか不安そうなマイザーさん
チェス君もどうしていいのかわからないって感じだった
私にどうしろと?
ちらりとマイザーさんの左手を見ると、ポケットの中に閉まってあった
まるで何かに怯えるかのように
とかそんなんわからないけどね!
そんなんだったらなんかカッコイイじゃん
ただ、言ってほしい言葉はなんとなくわかったよ
空気を読む日本人だからね!
そこは、なんとなくなんとなく
『…左手でもいいですよ』
多分コレだ!
私の空気を読むというスキルで導きだした最善言葉
これでどうでしょう?とマイザーさんを見ると……泣いていた
静かに静かに泣いていた
えっ、もしかして間違えましたか!?
うわっ、めっちゃ恥ずかしいじゃん
結構自信ありましたけど
自信があったからこそ、余計恥ずかしい
「…ほんとうに…ほんとうに変わっていないんですね
ありがとうございます、タヌキ」
『マイ…ザーさん』
そこまで喜んでくれて何よりです
心がポッとあったかくなって、思わずマイザーさんに抱きついた
マイザーさんはスッと受け止めてくれて、今度は左手で撫でてくれた
マイザーさんはなんかいい香りがした
どうやら間違ってはいないようで安心です