不死逢わせ
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「すいませーん、気絶しちゃいました」
「別にいいですよ、ちゃんと吐いてもらいましたから
もう、始末してくれて構わないですよ」
「はーい、了解です」
ガンドールの縄張りで麻薬を扱い、逃げ切れると思っただろか
しかも、彼はガンドールの名を語っていたらしい
一回、逃したのがいけなかったですかね
あれだけ痛めつければもうしないと思ったのですが
そこまで考えて一旦やめた
幼なじみに話せば一回逃したのかよと突っ込まれるだろう
自虐的に笑ってしまった
やっぱり向いてないのだろう
「ラックちょっといいか」
「ベル兄?」
ベル兄に言われたところへいくとそこには、珍しい顔立ちで東洋系だろうか一人の少女がいた
ここの住民ではない…旅行できたのだろうか?
移民法があるのにわざわざ?
疑問に感じながらも、その足元には見覚えのあるカバンが置かれているのが目に入り眉間にシワが寄る
あの男が持っていたものに類似している
男が持っていたカバンは中身が違っていたので、部下に処分させておいたが
薬ではないことを男に訊くと、男は答えもせず驚きを現したと思うと怒り叫んだ
"くそっ!!!あの女かぁああぁあぁぁああ!!"
さすがに訳がわからず困ったが、今目の前にいる少女で間違いないだろう
あの男が持っていたカバンの中身を嬉しそうにみているのだから
「すいません、そのカバンの中身見せてもらってもいいですか?」
声をかけるとビクンと肩を揺らしたが、こちらを見ようとしない
別に気配を消したりはしていなかったが、気づいていない様子だった
しかし、こちらを見ようとしないということは少女もカバンの中身を知っているのだろう
わざとかと思ったが、そのようには全く見えなかった
「ちょっと、ついてきてもらえますか」
念のため少し強めに言って近づいた
『……ラックさん』
視線をこちらに向け、私の名前を呼んだ
手荒にはしたくなかったが、抵抗してきたら面倒なのでそっと背中に銃口を向けた
「ついてきてもらえますよね」
涙目になりながら必死に頷く少女に少し胸が痛くなった
縄を縛るときもおとなしかった
キョロキョロとせわしなく視線を向けていたが、目が合うとハッとしたように目を伏せた
なんか傷つきますね
カバンを確認しておかなければいけない
粉が入ったほうは分かったが、もう1つに火薬なんかが入っててはアウトだ
………なんだこれは
見たこともないようなものばかりだ
下手に触るとどうなるか分からないのでそのままにしておいた
財布のようなものがあったので、それを取り出すと日本語だと思われるものが書いてあるものがあった
理解はできないが知識としてはもちあわせていた
2018…この数列はなんだろうか
疑問に思いながらも、少女に目をもどす
ベル兄やキー兄から視線をむけられる
あまり攻めるなということだろう
小動物のように小さく体を震わせる少女を見て、攻める気にもなれないが
「これは、あなたのですか?」
カバンをさしながら言う
かえってくる言葉は大方予想できるが、一応聞いておく
必死に首を横にふっている
これは本当に嫌な仕事だ
罪悪感が半端なものではない
フゥと息を漏らすとまたビクッとなる
「もういいじゃねーか、ラック外してやれよ」
「でもベル兄…一応、容疑者だし」
とは言いつつも、このまま縛り続けるのもなと思う
ベル兄も同じ事を想っているのだろう
「ホントにそいつが犯人だと思ってんのか?」
「それは…ぁあっ、キー兄、勝手に解かないでよ!」
キー兄がシュルっと巻かれた縄が解く
『あっ…ありがとう…ございます』
「………」
無言で頭をなでた
キー兄はとても気に入ったようだ
まるでペットの猫を可愛がるみたいだ
コレ以上怖がらせることもないだろう
この少女が悪人という可能性はもう無いのだから
「ラックさーん、こっち終わりましたよー
次はどうしますかぁ」
『!?!』
男の始末が終わったチックさんが奥の部屋からでてきた
浅黒い鋏と返り血をあびたまま
いきなりあらわれた青年に相当驚いたのか、少女はキー兄の後ろに隠れてしまった
まぁ普通の反応ですが
「あれぇ?どちらさんですか?」
少女に気づいたチックさんが近づく
彼女の顔は真っ青になっている
これはかわいそうですね
ベル兄やキー兄がまたこちらを見てくる
はいはい、私が止めればいいんですね
「チックさん、血を洗い流してください、怯えてますから
今日の仕事はあれで終わりです」
「はーい、わかりました
キレイにしてきますね」
今度は気付かれぬようにフゥと息を吐いた
「このカバンのことやあなたのこときかせてもらいますね」
なんというか、小動物を相手にしているようだ
「まず、名前を伺ってもよろしいですか?」
『タヌキです…タヌキ・モコモコ』
「タヌキさんですか
タヌキさんは日本人ですね」
『∑、なんで…わかったんですか?』
「すいません…悪いと思ったんですが、開けさせてもらいました」
戸惑いながらも納得してくれたようだ
しかし安心したのもつかの間
ベル兄が彼女…タヌキさんの持ち物の1つを壊してしまった
怒ってはいないようだが、随分落ち込んでいる
いたたまれないベル兄はワシャワシャと頭をなでた
ベル兄は不器用だから
それに気づいたのか、タヌキさんは気にしないでくださいと笑った
その後もちゃんと話していくので大丈夫なのだろう
そして、話していく中でタヌキさんはロニーさんの知り合いだということが分かった
ロニー・スキアート
マルティージョファミリーの”秘書(キアマトーレ)”
彼に関しては謎が多いが、彼が関わっているのなら疑問は解ける
それくらい”力”もっている
まぁ、彼女が嘘をついていないのならこの疑問は解決するわけだが…多分そこは大丈夫だろう
「分かりました
それでは、なぜそのカバンをもっているんですが?」
『男の人とぶつかったんです
それで、私のと間違えて持ってったみたいで…それで』
「まちがえて、貴方の手にわたったと」
『はい』
「ふむ…そのぶつかった男性の特徴とかは覚えてますか?」
『特徴ですか?………すいません』
「それって、もしかして短髪で背はこのくらいで、こーんな目の人じゃありませんでしたか?」
『えっ、そーだったような気も…』
「チックさん…」
せっかく緊張がほつれてきたというのに、彼女を驚かさないでほしい
返り血はないが、かすかにかおる鉄の臭いに顔をしかめる
幸いタヌキさんは気づいてないようだ
「だって、さっきの人も言ってましたよ
"怪しい女に奪われた"って」
『あのその男の人って…』
「君とぶつかった人だろうねー」
ニコニコと言い放ったチックさんに、彼女の顔の血の気が一気に引いた
あんまり怯えさせないでほしいんですけどね
チックさんには悪気はないから怒るわけにもいかない
さらに困ったことがおきてしまった
彼女には住むところも働くところもないらしい
もしかすると、ロニー・スキアートはこのことを知ってこちらに仕向けてきたのかもしれない
いや仕向けてきたのだろう
こちらで保護しろということか
罠かもしれないと思ったが、この少女をスパイによこす訳もない
殺しなどとてもできるように見えない
不死者という可能性も否定できない
が、そうは思っていても見捨てるわけにもいかないので、とりあえずキー兄たちも同意見なので保護することにした
不死者であってもなくても、彼女は彼女なのだから
これは少し自分にも言い聞かせていることですけど
それに本当に妹は欲しかったですし
可愛いらしいですよ、妹って
弟分が変わり者だった分、自分では気付かぬうち欲求は少し…いや大分大きかったようだ
「別にいいですよ、ちゃんと吐いてもらいましたから
もう、始末してくれて構わないですよ」
「はーい、了解です」
ガンドールの縄張りで麻薬を扱い、逃げ切れると思っただろか
しかも、彼はガンドールの名を語っていたらしい
一回、逃したのがいけなかったですかね
あれだけ痛めつければもうしないと思ったのですが
そこまで考えて一旦やめた
幼なじみに話せば一回逃したのかよと突っ込まれるだろう
自虐的に笑ってしまった
やっぱり向いてないのだろう
「ラックちょっといいか」
「ベル兄?」
ベル兄に言われたところへいくとそこには、珍しい顔立ちで東洋系だろうか一人の少女がいた
ここの住民ではない…旅行できたのだろうか?
移民法があるのにわざわざ?
疑問に感じながらも、その足元には見覚えのあるカバンが置かれているのが目に入り眉間にシワが寄る
あの男が持っていたものに類似している
男が持っていたカバンは中身が違っていたので、部下に処分させておいたが
薬ではないことを男に訊くと、男は答えもせず驚きを現したと思うと怒り叫んだ
"くそっ!!!あの女かぁああぁあぁぁああ!!"
さすがに訳がわからず困ったが、今目の前にいる少女で間違いないだろう
あの男が持っていたカバンの中身を嬉しそうにみているのだから
「すいません、そのカバンの中身見せてもらってもいいですか?」
声をかけるとビクンと肩を揺らしたが、こちらを見ようとしない
別に気配を消したりはしていなかったが、気づいていない様子だった
しかし、こちらを見ようとしないということは少女もカバンの中身を知っているのだろう
わざとかと思ったが、そのようには全く見えなかった
「ちょっと、ついてきてもらえますか」
念のため少し強めに言って近づいた
『……ラックさん』
視線をこちらに向け、私の名前を呼んだ
手荒にはしたくなかったが、抵抗してきたら面倒なのでそっと背中に銃口を向けた
「ついてきてもらえますよね」
涙目になりながら必死に頷く少女に少し胸が痛くなった
縄を縛るときもおとなしかった
キョロキョロとせわしなく視線を向けていたが、目が合うとハッとしたように目を伏せた
なんか傷つきますね
カバンを確認しておかなければいけない
粉が入ったほうは分かったが、もう1つに火薬なんかが入っててはアウトだ
………なんだこれは
見たこともないようなものばかりだ
下手に触るとどうなるか分からないのでそのままにしておいた
財布のようなものがあったので、それを取り出すと日本語だと思われるものが書いてあるものがあった
理解はできないが知識としてはもちあわせていた
2018…この数列はなんだろうか
疑問に思いながらも、少女に目をもどす
ベル兄やキー兄から視線をむけられる
あまり攻めるなということだろう
小動物のように小さく体を震わせる少女を見て、攻める気にもなれないが
「これは、あなたのですか?」
カバンをさしながら言う
かえってくる言葉は大方予想できるが、一応聞いておく
必死に首を横にふっている
これは本当に嫌な仕事だ
罪悪感が半端なものではない
フゥと息を漏らすとまたビクッとなる
「もういいじゃねーか、ラック外してやれよ」
「でもベル兄…一応、容疑者だし」
とは言いつつも、このまま縛り続けるのもなと思う
ベル兄も同じ事を想っているのだろう
「ホントにそいつが犯人だと思ってんのか?」
「それは…ぁあっ、キー兄、勝手に解かないでよ!」
キー兄がシュルっと巻かれた縄が解く
『あっ…ありがとう…ございます』
「………」
無言で頭をなでた
キー兄はとても気に入ったようだ
まるでペットの猫を可愛がるみたいだ
コレ以上怖がらせることもないだろう
この少女が悪人という可能性はもう無いのだから
「ラックさーん、こっち終わりましたよー
次はどうしますかぁ」
『!?!』
男の始末が終わったチックさんが奥の部屋からでてきた
浅黒い鋏と返り血をあびたまま
いきなりあらわれた青年に相当驚いたのか、少女はキー兄の後ろに隠れてしまった
まぁ普通の反応ですが
「あれぇ?どちらさんですか?」
少女に気づいたチックさんが近づく
彼女の顔は真っ青になっている
これはかわいそうですね
ベル兄やキー兄がまたこちらを見てくる
はいはい、私が止めればいいんですね
「チックさん、血を洗い流してください、怯えてますから
今日の仕事はあれで終わりです」
「はーい、わかりました
キレイにしてきますね」
今度は気付かれぬようにフゥと息を吐いた
「このカバンのことやあなたのこときかせてもらいますね」
なんというか、小動物を相手にしているようだ
「まず、名前を伺ってもよろしいですか?」
『タヌキです…タヌキ・モコモコ』
「タヌキさんですか
タヌキさんは日本人ですね」
『∑、なんで…わかったんですか?』
「すいません…悪いと思ったんですが、開けさせてもらいました」
戸惑いながらも納得してくれたようだ
しかし安心したのもつかの間
ベル兄が彼女…タヌキさんの持ち物の1つを壊してしまった
怒ってはいないようだが、随分落ち込んでいる
いたたまれないベル兄はワシャワシャと頭をなでた
ベル兄は不器用だから
それに気づいたのか、タヌキさんは気にしないでくださいと笑った
その後もちゃんと話していくので大丈夫なのだろう
そして、話していく中でタヌキさんはロニーさんの知り合いだということが分かった
ロニー・スキアート
マルティージョファミリーの”秘書(キアマトーレ)”
彼に関しては謎が多いが、彼が関わっているのなら疑問は解ける
それくらい”力”もっている
まぁ、彼女が嘘をついていないのならこの疑問は解決するわけだが…多分そこは大丈夫だろう
「分かりました
それでは、なぜそのカバンをもっているんですが?」
『男の人とぶつかったんです
それで、私のと間違えて持ってったみたいで…それで』
「まちがえて、貴方の手にわたったと」
『はい』
「ふむ…そのぶつかった男性の特徴とかは覚えてますか?」
『特徴ですか?………すいません』
「それって、もしかして短髪で背はこのくらいで、こーんな目の人じゃありませんでしたか?」
『えっ、そーだったような気も…』
「チックさん…」
せっかく緊張がほつれてきたというのに、彼女を驚かさないでほしい
返り血はないが、かすかにかおる鉄の臭いに顔をしかめる
幸いタヌキさんは気づいてないようだ
「だって、さっきの人も言ってましたよ
"怪しい女に奪われた"って」
『あのその男の人って…』
「君とぶつかった人だろうねー」
ニコニコと言い放ったチックさんに、彼女の顔の血の気が一気に引いた
あんまり怯えさせないでほしいんですけどね
チックさんには悪気はないから怒るわけにもいかない
さらに困ったことがおきてしまった
彼女には住むところも働くところもないらしい
もしかすると、ロニー・スキアートはこのことを知ってこちらに仕向けてきたのかもしれない
いや仕向けてきたのだろう
こちらで保護しろということか
罠かもしれないと思ったが、この少女をスパイによこす訳もない
殺しなどとてもできるように見えない
不死者という可能性も否定できない
が、そうは思っていても見捨てるわけにもいかないので、とりあえずキー兄たちも同意見なので保護することにした
不死者であってもなくても、彼女は彼女なのだから
これは少し自分にも言い聞かせていることですけど
それに本当に妹は欲しかったですし
可愛いらしいですよ、妹って
弟分が変わり者だった分、自分では気付かぬうち欲求は少し…いや大分大きかったようだ
よろしくお願いしますね、タヌキさん