幸せ
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『おはよう、エルマー』
「おはよう、タヌキ!」
目を覚ましたエルマーにそう挨拶すると、エルマーは安心したように笑った
よかった、約束ちゃんと守れた
安心したようににっこり笑うエルマーに、こっちまで笑顔になる
うんうん、昨日よりも上手に笑えてる!
今日はどうして遊ぼっかなー
エルマーが笑えるように楽しい奴
『〜♪』
そう考えて、エルマーに聞こうとすれば入り口のドアが荒々しく開かれた
“バタンッ!”
「おい!生きているか!生贄!」
乱暴に開けたドアから、外からの冷気が一気に部屋に入り込む
雪が吹雪のように部屋中を真っ白に染めた
外から分厚い服をきた男が3人入ってきて、こちらを見てくる
顔も布で覆い、その顔も表情も見ることは出来ない
きゃーー!こっ、こここっち来る!
どうしよう!
私じゃ、エルマーを守りきれない!
助けて!グラハム!!
弱い私にはエルマーを強く抱きしめるしか出来なかった
「ッ!、タヌキ!!」
エルマーもまだ熱も下がりきってない身体を震わせ抱きついてくる
「あっ?今誰か呼んだか?」
エルマーを包み込むように抱きしめているのに、男達はまるで私がいないようにエルマーを見下ろしてくる
えっ!見えてないの!?
毎度毎度、どう言う設定なんだ!
何回もトリップするんだったら設定くらい統一してよ!!
男が私をすり抜けて、エルマーの腕を乱暴に掴んだ
すり抜けるとも聞いていない!!
あまりの強さにエルマーの体は地面から浮かび上がる
『エルマー!!』
「タヌキ!!」
お願いだから、そんな顔しないで
エルマーに負けないくらい今の自分も酷い顔だと思うが気にしてられなかった
「なんだこいつ、急に叫び出したぞ」
「死を直前にして狂ったんだ
よくある…問題はない、つれていけ」
『どいて!エルマーを離してよ!!』
大の大人3人に阻まれたエルマーを掴むことすら出来ない
また一歩、エルマーに近づこうとした時、床が抜けた
『わッ!!』
足元にブラックホールのような暗闇があらわれた
吸い込まれる!
またトリップだ
だからほんとトリップはいつするのか前もって教えろ!!
目を見張り伸ばされたエルマーの手を掴めない
『エルマー!!
絶対、また会いにいくから!
だから!笑ってッ』
温かいミルクまた飲もう!
セリフも最後まで言えないまま、私の意識は途切れた
こんなに後味の悪いトリップははじめてだ!!
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