幸せ
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「どーぞ!」
『あっ、ありがとう!!』
床に置かれた濁った白い液体を渡される
大丈夫?これ飲める??
なんて、めっちゃ失礼な事を考えるくらいそれは…なんというか…質素なものだった
うん…今めっちゃ言葉選んだわ、自分
本当は飲めるかも怪しいし、臭いも心配になるほど
…今更だけど、エルマーのいるこの部屋は酷く冷たく埃っぽい
彼の虐待の過去を考えると心が痛い
「タヌキ、ミルク嫌い?」
『全然ッ!嫌いじゃないよ!』
…これはどうやらミルクらしい
これ…飲…
「タヌキ?」
ええい!女は度胸だ!
『いただきます!!』
ゔっ…美味しく…ない
牛乳を薄くしたっていうか、水にちょっと入れましたっていうか…独特の風味がずっと口の中にいる…鼻に抜ける…ゔぅ…
ゴクッ
ふぅ、なんとか飲み込んだけど…
エルマーは隣で美味しそうにミルクを飲んでいる
『エルマー、美味しい?』
「うん!!」
マジか…
「いつも1人の時はそうでもないけど、タヌキと飲むととっても美味しいよ!
タヌキが魔法をかけてくれたんでしょ?」
グサッ!!
タヌキの心に純正さが突き刺さった!!
効果は抜群だ!!
『…うん!とっておきのをかけておいたから、私の分も飲んでいいよ』
「ほんと!?わーい、ありがとう!!」
ごめんね、エルマー
いっぱい飲んで
喜ぶ姿でお姉さんは胸もお腹もいっぱいだからね
『なんだエルマー笑えるんじゃん!』
「…えっ」
『うん!そっちの方が可愛い!
笑った方がいいよ!』
「そっか…そうかな…へへッ」
『エルマー笑うの下手くそ〜
ここをこう!上げるの!!』
エルマーのプニプニのほっぺをつかんで上にあげる
笑顔中毒者は怖いけどやっぱり子どもは笑ってないとね!
ほっぺ気持ちぃ〜
「ふぁぁあ」
『エルマー、眠いの?』
「うん…タヌキは眠くないの?」
お腹がいっぱいになっただからだろうか、目を擦りながら大きなあくびをするエルマー
コクコクと船を漕ぎ始めたエルマーに肩をかす
こう見ると本当にただの可愛い子供なのに…
将来泣く子も笑う笑顔中毒者になるんだ…時の流れって残酷
少しごわつくエルマーの髪を撫でながらしみじみ思う
『おやすみ、エルマー』
エルマーの寝息につられるように私も眠りについた