…暖かい…

暖炉…？？

ここは…


「あっ、起きた？」

『！！！、うわっ！？』


目を開けると目の前に男の子がいて、その近さにあまりに驚きひっくり返って頭を打ってしまった！


『いたたた…ッ』

「大丈夫？天使さん」

『…へ？てんし？いや、全然違いますけど？』


急に素っ頓狂なことを言われ間抜けな声がでる

あれれ？ここはどこ？

元の世界に戻るフラグは？

グラハムたちとの涙のお別れは？

左手の薬指にはまった指輪をみて安心する

良かった夢じゃない

そうだよね、さっきまでグラハムたちの倉庫にいたはずなのに

まだ元の世界には戻ってないの？？

目の前のお目々の大きな子どもはどちら様？


「じゃあ、悪魔さんだ！だってぼく、もう死んじゃうからお迎えに来てくれたんでしょ？」

『えっ！？』


急に激シリアスな展開！！

高低差ありすぎて耳キーンてなるわ！！

驚きすぎて涙もひっこむ


「ぼくはエルマー
悪魔さんは？」

『私はタヌキ…ってエルマー！？』


え？

ぇぇぇえええエルマー？？

あの笑顔中毒者の？

表情筋がぴくりとも動かない目の前の子どもが？

まだヒューイって言われた方がしっくりくるくらい落ち着き払った子どもが？

くしゃりとした髪が面影あるかもしれないけど

って、エルマー子どもなの！？

目の前のエルマーと名乗る子どもが本当に不死者のエルマーなら、酒を飲む前だから…1700年代！？

いや、今までと桁違い過ぎて逆にヒクわ！！


「ねぇ、やっぱり悪魔さんなんでしょ？
ちがうの？」

『ゔっ…』


そんな目で見つめないで！！

ヒッヒッフー！

落ち着け私！思い出せ私！！

確か原作では、首がはねられる寸前になんか助けられて「神の奇跡によって助けられた奇跡の子」てして讃えられて…生きるんだもんね

大丈夫だよね…ちょっとくらい付き合っても

というか、こんな純粋な目私には否定出来ません！！

私は下手くそな笑顔を作りながら頷き、悪魔としてエルマーと一緒にいることになった