月が欲しいと泣いている
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てきぱきと帰りの支度が整えられる
感動の再会もこれでおしまい
お別れや
「さあ、お二人さん帰りましょう!」
「…そやね」
死人に口なし
“死んでしまった”ボクが言うことなんて1つもない
彼らはもう進んでいるのだから
冷えてしまった右手にたぬきの手が絡む
あぁ…なんてあったかいんや
『じゃあまたね!!』
その言葉にはっとした
手を振ってそう言う彼女はまるで出会った頃とかわらなかった
そうや
「おう、風邪ひくなよ」
「…はい、“市丸さん”をよろしくお願いします」
「約束!今度は絶対だからね!!」
101年会わん間に忘れてた
たぬきのまたねは魔法の言葉や
またいつか会える気がするから
この感覚が懐かしく心が満たされていく
空っぽのボクをたぬきがまた作ってく
ボクは大丈夫や
他にはなんもないけど
たぬきがいるから
だから
「ほな…またね」