月が欲しいと泣いている
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「…あれれ?なんや僕たちスベったみたいやね」
『だから普通にでようっていったじゃん!!』
「えーそんなんつまらんやん」
『それにお祝いの言葉はいっしょに言うって言ったじゃん!』
「えーそうやったっけ?」
けらけら笑うちっちゃいギンに顔を赤くして言いよるちっちゃいたぬき
……は?
ちょっと待て待て待て!
……は?
「っ!?おまえ、俺に嘘ついとったんか!」
「えー?なんのことっスかー?」
「とぼけんなよ、ハゲどあほハゲ!!」
「アタシは死んだなんて一言も言ってませーん」
「屁理屈やないか!あんなっ!!
あんな顔であんなこと言われたら誰でも死んだ思うやろっ」
「なんや、隊長さんもボクも同じことやられっとんやねー」
こいつは!
どこまで!
人を馬鹿にすれば気がすむんや!!
振り向けば大成功と書かれたプレートを持ったこの男…1発殴ったくらいじゃおさまり効かへんで!!
『たいちょー、たいちょーは私が生きてたら迷惑でしたか…?』
「アホ!なんでそんなこと言うねん!!」
『だってたいちょー、文句ばっかり…』
「たぬき、あのたいちょーさんは照れてはるだけやから」
このがきんちょ、死んでも101年前から変わらんな
これは101年ぶりにお仕置きや
不穏な俺の空気にいち早く気づいたギンは、すぐさまたぬきの後ろに隠れた
「い、いややわぁ、ボク今ただのしょーがくせぇーやで
なんも出来へんいたいけな子ぉをいじめんといてぇや」
『そうなの、たいちょー!
ギンはこうなったのは私のせいなの…』
悲しむような悔しい顔
…もう全部終わったんやから、お前はそんな顔せんでええねん
たぬきの前にしゃがみこみ視線を合わせる
「たぬき、人は時に何かを投げ出してでもやらなあかん大切なことがあんねん
お前はそれで後悔してないんやろ」
『…はい』
「なら胸張って生きんかい」
『たいちょー…ッ!!』
全く世話の焼けるやつやで
胸に飛び込んできたたぬきを受け止める
ほんま…ちっちゃいな、こいつ
でも
生きててよかった
左手でたぬきを抱き込んだまま、空いた右手で油断してたがきんちょを捕まえる
「おい、たぬきを使うなんて卑怯やぞ」
「ちょっ、ちょっとまってーな!
ご覧の通り僕がなんにもできへんってたいちょーさんが一番わかってますやん」
言葉の通り頭を掴んだ手からも逃れられないギンのさらさらな髪を乱暴にぐちゃぐちゃにする
こいつも…まぁ
生きててよかったんちゃうか
かくれんぼ…やっと見つけてもろたんやろ
『たいちょー??
ギンと何話してるの?』
「なーんもないよー
たぬきが心配することはなーんも」
「ギンッ!たぬきッ!!」
…どうやら俺の出番はここまでようや