月が欲しいと泣いている
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「『さぷらいず?』」
「そうッス!たぬきも市丸サンも落ち着いてきましたし、そろそろ平子さんたちにネタバラシってことで!!」
『ってことでって…』
「飽きたんやね
でも、どうするん?
ボクもたぬきも霊力ないし…見た目もこんなんやし」
ボクもたぬきも身体はまるっと出会った頃のように小さくなってしまっていた
この前“てれび”で見た、まさに見た目は子ども頭脳は大人やね
「…ほんまこの格好なんなん?ずいぶん小さなっとるけど」
あの感動の再会の帰り道
ようやく落ち着いてきたとたぬきとの帰り道
なにやら視線が低く、ふいに横の窓ガラスをみると
ずいぶんと可愛らしくなった自分
横ではたぬきが同じようにずいぶん可愛らしくなった姿で、なにも気にしてない様子でにこにこと笑っているだけやった
「ボクの姿も…たぬきの姿も…ずいぶん可愛らしくなって…なにこれ?」
嫌味のつもりで言っても、目の前の男はなにも気にしてない風や
「言ったでしょう
あなた方は、一度死にました
そして、たぬきは貴方のために力を使い果たしてしまいました」
『………』
「………」
「一度失ったものを完全に取り戻すのは不可能でした
その姿がワタシの精一杯ッス…まっ、感動の再会は演出させてもらいましたけどね」
手で帽子抑え深く俯く
下から見ても抑える手と影でその表情は見えない
隣にいるたぬきもつられて、顔を歪ませている
『喜助…』
「もう過去にとらわれなくていいんです
市丸サンやたぬきを縛るものはなにも無いんッスから…また出会った頃の2人からやり直してください」
ボクとたぬきの頭をくしゃりと撫でる手をはらう気も起きなかった
喜助ェと名前を呼びながらたぬきは甘えている
されるがままの撫でる手に急に力が入った
そのまま顔をボクの方に顔を寄せるとボソリと吐いた
「それに…その姿ならやることもやれないっすからね…!!」
「………いや、それが本音やん」
おかしいと思った
この男が、たぬきならまだしも自分に情けをかけるなんて
「いいっすか、市丸サン!!ワタシはまだ認めたわけじゃ無いっすからね!!」
『???、喜助?』
急に叫び出すからたぬきは疑問符を飛ばしてた