月が欲しいと泣いている
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清く、正しく、美しく
そんな言葉があう人だった
下級貴族ながらもそれ以上の風格を感じさせる人だった
僕のよき友人であり、いたずらも共にした共犯者でもある
そんな彼女が結婚すると聞いたとき、自分は素直におめでとうと思ったが周りはそうでもなかったみたいだ
相手が席官も彼女よりも下でなにより流魂街出身だったからだ
しかし彼女は
「私が惚れた男だ!
私の目に文句があるってやつは私に直接言ってこい!!」
とピシャリ
そのときのお相手の方は顔を真っ赤にさせて、それを見て彼女は笑っていた
少しだけ相手の方に同情した
友なら大歓迎だが、自分よりも男前の女房なんてものは男は恥ずかしいことこの上ない
結婚して子を宿した
「喜助、もしも私にもしものことがあったらたぬきのこと頼むぞ」
「なに縁起でもないこといってんスか 」
「なに、保険だ万が一がある。母になるというのは、自分でも驚嘆するくらい心配性になるらしい。まさか喜助にこんなことを頼むとはな!」
「僕よりも夜一さんに頼まれては?」
「いやだ!夜一のように育ってはたぬきが可哀想だ!なんだその罰は」
「ほう、わしに育てられるのはそんなに嫌か…」
「!?よっ夜一さん、いつのまに…」
「嫌!ちょーいや!だから、喜助に頼んでおる。」
「いや、そんな僕だって夜一さんとかわんなっイテテテテ」
「お主まで言うか喜助、お仕置きじゃ」
「喜助、お前なら大丈夫だ
私の目に狂いなどない!!」
シャンと言い放った彼女はもういない
…別れの挨拶もさせてくれないなんて、意地悪なお人だ…
『もこもこけ10だいめとうしゅもこもこたぬきでございます
おはつにおめにかかりこうえいでございます』
年の割にしっかりした子だと思った
幼いながらもどこか彼女の面影を感じさせた
「喜助、別に無理することはないのだぞ。お前が何もしなかったからといって責めるものはおらん」
「……違うんです」
「喜助」
『ねー、喜助さん』
「なんすか?」
『喜助さんといるとね、この辺りがね
なんかぽかぽかするの
かかさまがね、たぬきのことぎゅーてしてくれたときみたいね、なるの』
「なんすか?」
『喜助さんといるとね、この辺りがね
なんかぽかぽかするの
かかさまがね、たぬきのことぎゅーてしてくれたときみたいね、なるの』
僕はこの少女を
ただ守りたいと
そう思っただけなんです